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いにしえゲーム血風録 再来年「出撃の刻 ~じったい編~」

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 前回までの徒然:いっちょまえにゲームミュージックについて語ることにしたボンクラだが、案の定「ゲーム開始時の曲(ジングル)」というあまりにもニッチなジャンルに焦点をあてるという、文字通りの迷走を始める。それでも過去の名作群のおかげでそれなりの形になったが、それはそれで「どの名作を取り上げるか」という新たな難題に直面し、取りあえず道満先生の「オッドマン11」(近日記事を書きます)を読みふけるボンクラだったのだった。

 

 さて前回は1980年代後半にかけての「ゲーム設定や背景の複雑化」に伴う「ジングルの複雑かつキャッチー化(へんな日本語)」までをお話しいたしました。今回も引き続き、80年代後半のゲームのジングルをご紹介いたしましょう。まずはこのゲームです。

 

 1987年のナムコより「ドラゴンスピリット」であります。それまではSF一辺倒だったSTGにファンタジーの世界を持ち込んだ意欲作で、その後のファンタジー系STG(「コットン」や「魔法大作戦」とか)のエポックメイキングでありマイルストーンであり一里塚で金字塔で神経塔(バロック)テーブルマウンテン(シレン)です(余談ですが、この「ドラゴンスピリット」というヤツはとてもとてもむつかしく、私は山ほどコンティニューしてやっとクリア出来ました。だからなのか後世のファンタジー系STGも軒並み高難易度であるような気がしてなりません)

 ストーリーは「魔王バラモスザウエルにさらわれた王女アリーシャを救うため、アムルは聖剣の力によってドラゴンへと姿を変えた…!」というもので、王道ファンタジーまっしぐらな内容です。で、ご覧いただいたように、その「アムルが聖剣によってドラゴンに姿を変える」シーンでジングルが流れるのです。

 このジングル、聖剣を鞘から抜いた時に零れる光のような、あるいは聖獣であるドラゴンが舞い上がる時の風の流れのような、とても神秘的で透明感のある素晴らしいメロディーです。またドラゴンの強大で溢れんばかりの力を手に入れた際の静かな興奮を表現しているようにも思えます。ですからこのジングルは、自機であるドラゴンの力(つまり性能)と聖剣の神秘の力(つまり世界観)とを巧みに物語っている名曲だと言えましょう。

 

 さて続いてはこちらです。

 

 1987年のアイレムより「R-TYPE」であります。これは私が大好きなゲームで、以前「血風録」でもご紹介いたしましたが、今一度ストーリーをご紹介いたしますと、「異次元より現れた異形『バイド』に対抗すべく、『バイドの切れ端』を転用した人類初の次元戦闘機『R‐9』は侵略された宇宙ステーションへと向かったのだったのだった…!」と、SFまっしぐらの内容であります(まっしぐら二回目)

 このバイドというヤツが猛烈に強く、何しろこの生物(?)はあらゆる生物、鉱物、電子機器と融合する有機体でして、地球側は抗戦するも、ことごとく敗北してきたわけです。で、無人調査艇が偶然持ち帰ってきたバイドの切れ端を利用した、いわば「毒を以て毒を制す」を地で行く兵器である「R-9」が唯一の希望、という訳なのです。

 さて、このような背景を踏まえてジングルの部分を吟味しますと、まず静かな導入、続いてドラムロール(のような音)と共に画面左よりバーナーをなびかせて飛来してくるR-9。そして電子音を思わせるベースと脈動を思わせるメインメロディーと流れていきます。恐らくドラムロール(みたいな音)はR-9が噴き出すバーナーの炎であり、メインメロディーはバイドの切れ端の荒ぶる鼓動ベースはバイドの切れ端を制御する人類の知性のように思えます。

 つまり先のドラゴンスピリットと同様、このジングルは「自機の性能」と「世界観」を両方語っており、加えて自機R-9の持つ「有機質(バイド)と無機質(制御装置)が結び付くことの危うさ」のような、いわばヒーローのお約束である「力とそれを得たことによる悲しさ(例:新造人間キャシャーン)」をも語っているように思えてなりません。ただひとつ、はっきりしていることがあります。私はこの「R-TYPE」のジングルが大好きです(諸手)

 

 さて80年代末期になりますと、「濃密な世界観」はさらに濃密になり、一方で「とにかくノリ重視で突っ走る」ようなゲームミュージックも登場し始めます。まずは前者「さらに濃密」の例としてこちらです。

 

 1988年のアイレムより「イメージファイト」であります。なんかもう、これでもかとばかりの覚えゲー、かつ、かなりの反射神経を必要とする激ムズSTGで、それもそのはず、先の「R-TYPE」をクリアしたプレイヤーへの挑戦状という位置付けで開発されたらしく、多くの猛者達が散っていったとか(特に補習ステージで)

 さてストーリーは「東西陣営の競争が激化する中、突然西側の月面基地が爆発する。一気に緊張する世界情勢。ここで事態の収集を図るべく、最新戦闘機「ダイダロス」が用意される。しかし肝心のパイロットの訓練は未だ未完成であった…。」という、東西冷戦を背景にしており、いかにも時代を感じる内容なわけであります。

 さてこの「パイロットの訓練」なのですが、これが今でいうVR(仮想現実)で行われるという設定でして、この訓練をパスした者だけが実機に乗って月に向かう、というわけです。ですからゲームの前半5面は全てVRでの世界、だからタイトルが「イメージファイト」というわけです。よくもまぁ、1988年にこんなイカす設定をこしらえたものです。

 ですからゲーム開始時の場面はつまり「VR装置起動」の場面でして、ジングルもそれに合わせて巨大コンピュータの起動を思わせるものになっている、というわけなのです。なかなかカッコイイ演出ですが、世界観を知らないとなんのこっちゃ分からないというのが難点です。でもあたしはスキよ

 

 さて後者「ノリ重視のゲームミュージック」の例として、こちらをご紹介いたしましょう。

 

 同じく1988年の東亜プランより「TATSUJIN」であります。ストーリーは…どうだったかな。パイロットが「タツオ」ということは覚えているんですけどね、確か「どっかの異星人が、なんか、攻めてきて、…達人ビームだったよぅな(意味不明)。まあ、そもそも、このゲームの曲が「ノリ重視(いわゆる「東亜節)」ですから、ストーリーもあって無いようなもんでしょ、うん(無礼)

 さてお聞きいただいたように、とにかく「オレはこれから攻め込むぜ!」とか「超兵器でオレサイキョー!」みたいなノリ重視のジングル(世に言う「東亜節」)ですが、しかしこのような「これから始まる戦いを盛り上げるジングル」というのは、実は前回ご紹介した「ゼビウス」や「スターフォース」で既に作られています。

 私はここに原点回帰の意識を感じます。もしかすると、この頃の開発者の皆さんは、世界観を語り過ぎて頭でっかちになったゲームを窮屈に感じていたのかもしれません。世界観を語らなくとも、面白いゲームはやっぱり面白い。純粋にゲーム開始を盛り上げるジングルを採用した裏には、「とにかくゲームを楽しもう!」という「情熱溢れる無邪気さ」があったのではないでしょうか。ただひとつ、はっきりしていることがあります。私はこの「TATSUJIN」のジングルが大好きです(諸手二回目)

 

 さて時が下って1990年代に入りますと、「世界観を語る」ものと「ノリ重視に突っ走る」ものとが独自の路線を突き進んでいきます。一方は濃厚な世界観を作り上げて一つの思想を語り、一方は純粋なまでにゲームとしての楽しさを追求する。勿論どちらが優れているという話ではありません。ただどちらの流れも尋常じゃなく進化していったのです。

 では前者「世界観を語る」の例としてこちらをどうぞ。

 

 1991年のタイトーより「メタルブラック」であります。このゲームはガッチガチに世界観を作り、哲学的なまでのメッセージ性を有していました。こちらも以前の血風録で取り上げましたが、ここでは敢えて、その時にご紹介したストーリーを再掲しようと思います。そうです、行数稼ぎです(外道)

 

 

 西暦2042年、木星軌道上に出現した彗星の影響で、地球は無数の隕石群に襲われた。地表は荒廃し、わずかな人類が生き残ったが、そこへ突如謎の侵略者が襲い掛かる。圧倒的戦力差の前に地球側は全滅の危機に瀕したが、調査の結果、侵略者は時を同じくして出現した謎の物質『NEWALONE』を用いた兵器を使用していることが分かった。

 地球側はこのテクノロジーをコピーし、『CF-345 ブラックフライ』を作り上げ、一大反抗戦『METAL BLACK』を計画する。しかし実行直前、突如地球政府と侵略者は『人類の宇宙進出の禁止』を条件とした和平協定を結ぶ。

 ブラックフライは封印され、和平協定により人類は荒廃した地球に閉じ込められた。しかし、真の自由を勝ち取るため、1人の兵士がブラックフライを強奪、敵本拠地があると思われる木星軌道上の彗星『ネメシス』を目指し、飛び立ったのだった。

 

 

 …やっぱ重てぇ~!暗ぇ~!そして長ぇ~!さすがは凝り過ぎに定評があるタイトです。色々語りたい(あるいはツッコミたい)こともありますが、それはさておき、ストーリーをお読みいただいてお分かりのように、この主人公は自機を「盗んで」います。ですから勇んで出撃してみても、味方である地球側からは追われる身、敵である侵略者からは迎撃される身であるわけです。

 ですからジングルも出撃の高揚感と追われる身としての焦り、加えて敵中枢へと突っ込んでいく不安感がないまぜになって表現されているわけです。この20秒ほどのジングルにこれほどの内容を詰め込み、しかも1面スタートピッタリ終わるというのは、いやはや、さすが凝り過ぎタイトーと言えましょう(褒めてますよ)

 

 では後者「ノリで突っ走れ!」の例としてこちらです。

 

 1992年のサミーより「ビューポイント」であります。斜めスクロールのクォータービューという珍品で、しかしえらいことグラフィックが綺麗で、しかもこの斜め視点を上手く生かした敵配置やギミックに溢れた名作でありました。よくNEOGEOのMVS筐体(いくつもゲームが入っていて選べる)に入ってましたねぇ。あ、NEOGEO-miniには入ってないのね、残念。

 

 え?ストーリー?さぁ?

 

 さてさてゲーム画面をご覧いただいてお分かりのように、このゲームのキャラクター造形は丸っこくで可愛らしく、色調もライトでポップです。そんなビジュアルに合わせてBGMもテクノポップ、ですからジングルもお聞きのように「1・2・3・4・Hit!」とクラブDJのようなステキボイスであります。これはもう、完全に「ノリ重視」ですよね。

 

 

 この後のSTGのジングルはどうなったのか?しかしながらここで残念なお知らせです。そうです、ここで「格ゲー時代」が始まってしまうのです。嗚呼。ですからSTGというジャンル自体が縮小してしまい、やがてはゲーセンから姿を消してしまうのです。

 この流れでSTGが発展していったら、どんなBGMが、そしてジングルが生まれたのでしょう。喉が焼けるようなコッテリとした世界観を描いたジングル?脳神経が焼き切れるようなグルーブ感を持ったジングル?いずれにせよ、我々はあーでもないこーでもないと想像するしかありません。いや、まことに口惜しい限りであります。

 しかしながら、この短い楽曲には大げさではなく、そのゲームの全てが詰まっているのです。今回ご紹介したいくつかのゲームを通して、皆さまにもニッチなジングルの世界を楽しんでいただければ幸いであります。

 

 

 では最後に、ジングルではありませんが、かつてのSTG小僧達が日曜日の朝のゲーセンで聞いたであろう、この曲でお別れです。

 

 この曲はコナミの名作STG「グラディウス」が乗っていた基盤「バブルシステム」の起動時に流れるもので、当時の朝の無人ゲーセンで、基盤が温まるまでの数分の間、静かに流れていたと聞きます。やっぱりコナミは良いセンスですね。実際、この曲こそ、ゲーセン小僧達にとっての「出撃の刻のジングル」だったのかもしれません。

 

 

 

 ということで、半年ぶりにわたくしの再起動も無事完了いたしました。

 それではまた、二十回表でお会いしましょう。



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todome

過去のホームページ時代より寄稿させていただいておりましたが、とある作品を完結させぬままに十数年すっかり忘れ、この度親方の号令により、再び参加と相成りました、todomeと申します。 主に小話を寄稿させておりますが、マンガ、ゲームにつきましても、今後ご紹介させていただこうかと思っております。どうぞお付き合いください。

 - ゲーム, いにしえゲーム血風録, 音楽

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