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いにしえゲーム血風録 十五回裏 「レインボーアイランド(マジカルミラー編)」

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 さて時代は私が「ダライアス外伝」にズッポリハマっていた頃になります。場所はいつものキャロット、ではなく、商店街西にあるタイトー直営のゲーセン、「タイトーイン」でありました。何しろ私の地元でダライアス外伝をいち早く入荷したのがここだったのです。まぁ、タイトー直営ですから当たり前と言えば当たり前ですが、当時はひどく感動したものです。

 しかもこのタイトーインは回顧録「ハレーズコメット」の回にもお話しましたように、日曜日の開店直後には全筐体に1クレジット入っているという豪胆な店でした。また店主のおばちゃんも気さくな方で、よくタイトーのグッズ(ただし何のゲームのグッズなのかは不明だった)を頂いたものです。また1プレイ50円というリーズナブルな値段設定も魅力でした。

 その上、この店主のおばちゃんがなかなか「分かっている人」のようで、設置してあるゲームは、我らが本拠地キャロットにも勝るとも劣らないイカスラインナップだったのです。タイトー直営ですから「アルカノイド」「バブルボブル」があるのは分かりますが、「ギャラガ(ナムコ)」「フラッシュポイント(セガ)」「クライムファイターズ(コナミ)」があるのはどういうことなのでしょう?あと「豪血寺一族(アトラス)」が置いてあったのは絶対にワザとに決まってます。

 そういうわけで、新旧問わずに異様に濃いラインナップを誇る店だったのです。当時、丁度私はナムコミュージアムでレトロゲームの面白さに開眼し始めていたので、この店のイカスレトロゲーム群には参ってしまいました。ですからこの時期はダライアス外伝をお目当てに通ってはいるものの、他のラインナップにも目移りし、結果、キャロットはご無沙汰となり、ズッポリとタイトーインに入り浸っていたのです。

 

 さてメインのダライアス外伝ですが、(ゲーメスト丸覚えで)順調にラスボス達を撃破し、残すはクジラとオニキンメ改を残すのみとなっていました。その日もクジラに挑み、見事に返り討ちにあった私は、大人しく席を空け、店内をぶらぶらと見て回りました。

 さて、どうしようか。「コラムス」で小一時間(最悪3時間以上)遊ぼうか、それとも「レイフォース」でレーザー潜りでもやろうか。色々画策しつつ店内を歩き回りますと、ひとつ見慣れないゲームがあるのに気が付きました。デモ画面では丸っこいキャラクターが涼やかな鈴の音と共に虹を放ち、敵を倒したり虹を登ったりしています。そしてタイトル画面に戻り、「RAINBOW ISLANDS」という七色のロゴが表示されます。

 レインボーアイランド?タイトルの下には「TAITO」の文字があるから、タイトーのゲームか。え、1987年?かなり前のゲームだ。でも聞いたことないな…(実はタイトルの下に小さく「THE STORY OF BUBBLE BOBBLE 2」と表示されていたのですが、このガキは英語が苦手なので分かっていません)。

 しかし再びデモ画面が現れ、主人公(と思われるキャラ)が敵を倒すと、靴が出現しました。…この靴、どこかで見たことがあるぞ!?…あッ!バブルボブルだ!ということは、これはバブルボブルの続編だな!?ゲーム脳が幸いし、奇跡的に2作品の繋がりに気付いたボンクラでしたが、しかしバブルボブルとは随分画面構成が違います。

 

 まず固定画面ではなく、上へ上へと昇っていく面構成です。バブルボブルでは1画面に自機や敵やアイテムが所狭しと詰め込まれていましたが、今回は随分空間を感じます。さらにデモ画面では自機がピョンピョンと足場から足場へと飛び移り、その上自分が放った虹まで足場にしてどんどん上へと昇っていく始末です。私は何だか足の裏がムズムズしてしまいました。

 つまり前作以上に相当ジャンプアクション色の強いゲームのように思われたのです。当時の私がやっていたジャンプアクション系のゲームと言えば、魔界村シリーズやスーパーマリオくらいのもので、苦手ではありませんが得意でもありません。しかし魔界村などが横スクロールなのに対し、レインボーアイランドは縦スクロールなのです。デモ画面とインストカードで操作方法は理解しましたが、しかし一体自分に扱えるものなのか、全くの未知数に感じられたのでした。

 …こういう時はどうすれば良いか?そうです、人様のプレイを見れば良いのです。後ろから見学して、どういうゲームなのか見極めれば良いのです。学生は金がないんです。勘弁してやってください。するとまさに渡りに船、大学生くらいの男性が早速プレイを始めました。さぁ、見学開始です!

 

 男性は結構やり込んでいるようで、虹を直接敵にぶつけるのではなく、空中に虹を展開させ、敵が近づいたところで虹を崩して倒す方法を取っていました。なるほど、これなら敵を待ち伏せて安全に倒すことが出来ます。虹に巻き込まれた敵は水色に変化し、画面中を転がりまわって、最後にそこらの足場に墜落してアイテムに変わります。それは赤いツボだったり、先程見た靴だったり、星が出てきたりします。

 しかし多くの場合、敵はダイヤモンドに変わりました。様々な色があるようで、取った色のダイヤモンドは画面下中央にストックされます。…はて、全部揃うとどうなるのかしら。などと思う間もなく、男性は首尾良く、7色のダイヤモンドを揃えました。するとファンファーレと共に自機の頭上に「1UP」の文字!即座に画面左下の残機が1つ増えました。

 …こんな簡単に1UPするのか!これはやりやすそう、というか「もつ」ゲームのようだなぁ!バブルボブルでは残機を増やすには「EXTENDバブル」を揃える必要があり、これがまた面白いように揃わなかったため、「まず残機は増えない」と思っていただけに、お手軽に1UPしてしまう光景には心が躍ってしまいました。これだけ簡単に残機が増えるのであれば、自分にもクリア出来るのかもしれない…!安易に光明を見出した私は、そのまま男性のプレイを見学しました。

 

 男性は3つ目の島でゲームオーバーになりましたが、見学の結果、他に分かったことは、

 

・全部で7つの島があり、島は4つの面で構成され、各島の最後にはボスがいる

・ツボを取ると虹がパワーアップし、靴を取るとスピードアップする

・ジャンプボタンを押しっ放しにすれば、虹を崩さずにジャンプ出来る

・虹崩しで敵を倒すと、パワーアップアイテムがガンガン出る

 

 ということでした。…ということは、全部で28面ということか。バブルボブルは100面だったから、ずいぶん面数が減ったものです(厳密には1つの面が縦に伸びているので、画面数としては多くなっているのですが、バカなので気が付いていません)。また「虹崩しで敵を倒すとパワーアップアイテムが出る」ので、なるほど男性が虹崩しで敵を倒すわけなのです。それにボス戦でも、虹を直にぶつけるよりも、虹崩しの方がダメージを与えることが出来るようでした。

 …コレ、クリアに必要な基本テクを網羅してないかい?その時の私はそう確信しました、いや、してしまいました。まだ1度もプレイしていないのに、クリア出来ると思い込んでしまったのです。バカって怖いですね。ともあれ、私は早速コインを投入しました。

 

 最初の島はイモムシやらハチやらがいる島です(後に「虫の島」と知る)。各々が地形の上や空中を行ったり来たりしているので、早速虹崩しで倒します。すると敵が吹っ飛んでダイヤモンドが出現。コレコレ、コレを集めれば1UPするのだ。時折間違って虹を直接ぶつけて倒してしまいますが、するとダイヤモンドではなく野菜やらお菓子やらが出現します。取ってみますが、コレは単なる得点アイテムのようです。…そういえば、バブルボブルでもどうかしているほど大量のフードアイテムが用意されていたな。これもそのクチか。アイスキャンディーが美味しそうだったな…。

 そんなことを考えていると、突如敵が赤色に変化し、猛烈にスピードアップ。しつこく自機を追いかけてきます。ここで囲まれて1ミス。…やはり見るとやるとでは大違いだな。とにかく、敵が赤くなる前にさっさと虹崩しで倒した方が良さそうです。

 気を取り直して積極的に虹崩しで敵を倒していきます。するとダイヤモンドの代わりにアイテムの靴が出現しました。これでスピードアップだ、これまで以上に敵を率先して倒せるぜ、ィヤッホーゥッ!そのまま次々と敵を倒し、赤いツボを取って虹もパワーアップ。晴れて最上階のゴールに到達します。するとデカい宝箱が降ってきて、やっぱりフードアイテムをまき散らします。…なんでタイトーのゲームの食べ物は美味しそうに見えるのかしら。ケーキが美味そう。

 

 そのまま2面、3面と挑みますが、なかなかダイヤモンドを7色揃えることが出来ません。ダイヤモンドは赤、橙、黄、緑、青、藍、紫の7種類があるのですが、何故か赤と紫が全然出ません。…変だな、さっきの男性は簡単に紫とかが出現していたのに。それでも4面のボス直前で7種類集めることができ、見事1UPですよ、ィヤッホーゥッ!

 そしてボス「デカいクモ」が出現。しかし虹をいくつも出して、一気に崩して大ダメージ!あっという間に倒しました(先の男性を参考にしていたから)デカい宝箱が降ってきて、中からフードアイテムとデカい赤ダイヤモンドが出現しました。おお、ボス戦だけあって、豪華な宝物だ。すぐさまゲットして、次の島へと移ります。

 

 しかし世の中そんなに甘くありません。タイトーのゲームが「初プレイでクリア」出来るわけがなく、2つ目の島の2面で全滅しました。この島はヘリや戦車などの兵器が敵なのですが(後に「戦争の島」と知る)、兵器だけあって飛び道具があり、これを簡単に喰らってしまいました。またジャンプでは届かない高さに地形があり、そこへ登るには虹の上でジャンプしなければならない場面に出くわしました。まだ操作に慣れていない私は、ジャンプするもことごとく虹を踏み壊してしまい、結果下から迫る水に飲まれてしまったのでした(時間が掛かり過ぎると水が上がってくるのです)。

 初プレイを終えて席を立った私でしたが、非常に満足でした。面白いぞ、コレ!虹の使い方が凝っているし、上へ登っていくのがいかにも冒険っぽくて楽しい!すっかりこのゲームが気に入った私は、ダライアス外伝と共に、レインボーアイランドも腰を据えて攻略することにしたのでした。

 

 さてダライアス外伝は程なく全ゾーンクリアを達成し、私はもっぱらレインボーアイランドに取り掛かることになりました。虹ジャンプは制御がむつかしかったですが(結構空中制御がむつかしい)、繰り返し練習して体得しました。すると途端に上へ登るのが容易になり(当たり前)、迫ってくる敵をかわすことにも役に立ちました。是即ち修練也。

 ズンズンと先の面に進むことが出来るようになりましたが、しかしダイヤモンド集めは別でした。どうしても赤や紫のダイヤモンドが出現しにくいのです。おかげであと1つというところでボスまで到達してしまってパーになることもしばしば(島をクリアすると、集めたダイヤモンドがリセットされる)。それでも「まぁ、次の島で集めればいいや」と簡単に考えていました。

 

 そして遂に7つ目の島のボス、ドラゴンを倒す日が来ました。ドラゴンは自機を追尾して移動し、時折レンジの長いブレスを吐いてきます。上手く誘導しないとたちまち黒焦げですが、例の「虹を展開して、敵が来たところで崩す」という戦法で撃破!デカい宝箱の中身をいただき、さぁ、エンディングです!

 主人公バビーが宝の山を前にバンザイをしています。そうか、このゲームは宝探しだったのか(ここで初めて気付く)。巨万の富を得た喜びはいかほどでしょう。…しかしタイトーの、しかもバブルボブルの続編の割には簡単だったな。そう思っていますと、画面上方から何かが落ちてきて、バビーの頭にぶつかります。…なんだ?巻物か?早速バビーが開いてみます。

 

 英語で何か書かれています。しかし私は英語がからっきし苦手なので、内容はよく分かりません。…しかし英文の最後は理解出来ました。こう書かれていました。

 

 

「PLEASE! PLEASE! HELP US!」

 

 

 …助けを求められているぞ!?慌てて英文全体を眺めますが、この時ほど自分の英語力の無さを呪ったことはありませんでした。しかしこれだけは分かりました。どうやら、この手紙の主を助けるためには、7つの島で7つのビッグダイヤモンドを取らなければならないらしいのです。

 

 …ビッグダイヤモンド?…あのボスを倒した時に出るヤツか?でも出る時と出ない時があったが。…あッ!

 

 ここでようやく、7色の小さなダイヤモンドと、ボスを倒した時に出現したデカいダイヤモンドが結びつきました。小さいヤツを集めないと、あの大きいやつが出現しないのか!…え?ということは、全ての島で小さいヤツをそろえなければならないというのか?マジか?

 …あぁ、やはりタイトーでした。またクソ面倒臭いフィーチャーを隠しておいてくれたものです。…しかし集まるものなのか?だって赤と紫が出にくいよ?…いや、出すのには何か条件があるのか?私はネームエントリー画面を見つめながら、思案にふけったのでした。

 

 

 続きます。



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todome

過去のホームページ時代より寄稿させていただいておりましたが、とある作品を完結させぬままに十数年すっかり忘れ、この度親方の号令により、再び参加と相成りました、todomeと申します。 主に小話を寄稿させておりますが、マンガ、ゲームにつきましても、今後ご紹介させていただこうかと思っております。どうぞお付き合いください。

 - ゲーム, いにしえゲーム血風録, トドメ氏

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