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いにしえゲーム血風録 ちょっとハイボール買ってくる 「リズム天国」

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 前シリーズ「いにしえゲーム回顧録」の「がんばれギンくん」の回で私は、

 

「とかくどんなメーカーでも暴走することがあります。」

 

 と書きました。そう、どんなメーカーでも一度や二度は、誰がどうみても「どうかしているゲーム」を作ってしまうものなのです。セガなら「ダイナマイト刑事」、ナムコなら「ピストル大名の冒険」、タイトーなら「プリルラ」、コナミなら「究極戦隊ダダンダーン」など、理性と狂気はまさに紙一重なのであります(あ、データイーストは言わずもがなです)。

 ということで今回は、ゲーム業界最後の良心(おおげさ)、任天堂が世に放ったバカ快作「リズム天国」をご紹介しようと思います。なんとなく前回の「物怪録」を引きずっているような気もしますが、気のせいです。

 

 

 このゲームはGBAで発売され、タイトルからもお察しの通り、なんと「音ゲー」です。といっても一般的な音ゲーのようにノートが降ってきて、それに合わせてボタンを押す、というものではありません。本作ではノートはなく、代わりに「何だかよく分からないミニゲーム」が次々と登場します。それらをクリアするためには「リズムにノッて」ボタンを押さなければならないのです。

 

 具体的な例を挙げてみましょう。最初のステージの「カラテ家」は、画面中央に空手家がおり、画面手前から飛んでくるモノをパンチで(Aボタンを押すとパンチが出る)叩き落すゲームです。植木鉢、ヤカン、電球など、様々なものが飛んでくるのですが、タイミング良くヒットしないと叩き落せません。

 しかしながら、モノが飛んできてからボタンを押してもタイミングが遅いので、なかなか上手くいきません。ここでスポットが当たるのが先述の「リズム」です。ゲーム中、BGMが流れているのですが、この曲のリズムに合わせてボタンを押すと、面白いようにパンチがヒットするのです。

 

 実は本作に登場する全てのミニゲームは「目で見てから反応しようとしてもムリ」なように出来ているのです。実際、後に登場するステージ「エアーバッター」は宇宙空間の小部屋で植木鉢から飛び出てくるボールを、トスバッティングの要領でクリーンヒットしていくゲームなのですが(文字に起こすとバカ全開ですね)、ゲーム中は目まぐるしくズームインやズームアウトを繰り返し、終盤ではバッターが棒状に、ボールは1ドットくらいにしか見えなくなります。

 こうなるともはや目で確認することは不可能です。しかし先述のようにリズムにノッていれば易々とボールをホームランすることが出来ます。これこそがこのゲームのコンセプトであり、乱暴な話、目をつぶっても楽しめるゲームなのです。

 

 …もうお気付きでしょうが、本作はミニゲームの内容が普通ではありません。どのゲームもどうかしています。妖怪を一刀両断にする「ゐあひぎり」、ペンギン達との愉快なショー「ショータイム」、トランス必至「スペースダンス」、みんな大好き「ナイトウォーク」、迸るニッポンの心「リズムお習字」などなど、ツッコミどころ満載のバカゲーの数々をクリアしていくのです。操作は基本的にAボタンだけですが、ゲームによっては十字キーなども使います。でも各ゲームの最初に丁寧なチュートリアルがあるので全く安心です。

 そして1つのミニゲームが終了すると運命のジャッジが行われ、「やりなおし」、「平凡」、「でも平凡」、「ハイレベル」の4段階で評価されます。「やりなおし」になると文字通りやりなおしとなり、先のステージに進めません。しかしこの時「上手くノレてた!」とか「前半はリズム取れてる!」とか、なんか褒められてうれしいです。

 

 さて、本作は8つのセクションに分かれており、1セクションに4つのミニゲームがあり、これらをクリアすると「リミックス」と名付けられた「中ボス的ミニゲーム」に挑戦することになります。「リミックス」はその名の通り、先の4つのミニゲームがごちゃ混ぜになったステージで、1つの長めの曲を4つのミニゲームのアクションでリズムを刻むという内容です。裏拍やブレイクなどが盛りだくさんで、中にはこれまで登場した全てのミニゲームが総動員など、油断ならない作りになっています。

 エンディングがあったかどうかは正直忘れましたが、各ミニゲームをクリアするとメダルが貰えます。これらを集めるとやっぱり何だかよく分からない「リズムおもちゃ」(リズムに合わせてボタンを押していくと亜音速の世界に突入できる『うまマシーン』とか)や、暇つぶし以上の何か「エンドレスゲーム」(裏拍を体に叩きこめる『ウラおとこ』など)をゲット出来ます。

 また開発裏話のような、キャラクター達のボヤキのような殴り書きが読める「資料室」、そして本編よりもむつかしいと言われる伝説級の難易度を誇る「ドラムレッスン」(ドラムセットの基本的な使い方を教えてくれるミニゲーム。しかし最大8つのボタンを使用する鬼でもある)が楽しめます。ていうか、ボリュームありすぎ。

 

 さて、このような奇ッ怪なゲーム内容にも関わらず、グラフィックはキュートでキッチュなデザインで、何故だかものすごくキャッチーです。またこのゲームのキモであるリズムを支えるBGMですが、何故かどれも耳に残る名曲揃いで、曲を聴きたいがために何度も繰り返し遊んでしまうほどの中毒性を持っています。特にリミックスの楽曲は恐ろしいほどの完成度で、プレイしていると否が応でもテンションが上がっていきます。まさにノリ全開のリズム天国!アグレッシブなグルーヴがステキなひとときを約束してくれます。

 実際、私も夜寝る前に、ちょっとプレイしようかと思いつつ、気が付けば午前3時とかありましたねぇ。で、慌てて布団に入っても、頭の中でリズムがエンドレスに流れて眠れないという始末。結局起き出して、またプレイしてしまうという生活が2週間ほど続いたことがあり、やっぱり風邪をひきました。それくらい危険なゲームです(褒めてますよ)。

 

 で、なかなかの好評(一部では熱狂)を受けて、続編「リズム天国ゴールド」がDSで、「みんなのリズム天国」がwiiで、「リズム天国 ザ・ベスト+」が3DSでリリースされました。ゲーム内容は相変わらずのバカで、でもノリノリで中毒性の高い点はそのままに、ズンドコモリモリと進化を続けていきました。

 が、やっぱりインパクトの点では初代であるGBAのリズム天国なんですよね、私には。現在はGBAでしかプレイ出来ず、バーチャルコンソールへの移植を願っていたのですが、Switchが出ちゃいましたので、Wii-Uでは叶わなそうですね。Switchでもバーチャルコンソールが配信されるかどうかは分かりませんが、出来れば移植されると良いなぁ。ともあれ、任天堂のある意味本気をこちらでご覧いただき、せめて続編のどれかでもプレイしていただければ、と思います。きっと楽しいですよ!

 

 

 それではまた、十五回表でお会いしましょう。

 

 

 

 



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todome

過去のホームページ時代より寄稿させていただいておりましたが、とある作品を完結させぬままに十数年すっかり忘れ、この度親方の号令により、再び参加と相成りました、todomeと申します。 主に小話を寄稿させておりますが、マンガ、ゲームにつきましても、今後ご紹介させていただこうかと思っております。どうぞお付き合いください。

 - ゲーム, いにしえゲーム血風録, トドメ氏

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