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いにしえゲーム血風録 十三回裏応援団再決起 「メタルブラック(Time編)」

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 前回までのどさくさ:ダライアス外伝に夢中になっている私にメタルブラックを勧めてくださった奇特な常連の方がおられたと言うのに、生来の貧乏性と内向性と頑固さと愛しさと切なさと(以下略)により、ことごとくプレイする機会を逃し、ようやくゲーメストムック「ザ・ベストゲーム2」を読んで開眼するも、とっくに撤去になっており、途方に暮れて東京に行ったら偶然ありましたよ、面白かったよ、でも2面でミスったよ、だったのだった。

 

 さて皆さんのご想像の通り、やっぱり見事に受験に失敗した私は、どこに出しても恥ずかしくない浪人生になりました。事実上の「人生における1回休み」です。さすがにゲーセン通いは中断され、まがりなりにも浪人生の義務である「勉学」に励みます。しかしこれでゲームと縁が切れるほど、私のゲーム脳は軽くありませんでした。

 

 というのは、当時ゲーセンに通う代わりに、私には入り浸っていた場所がありました。それは高校時代の友人宅です。彼は、え~、仮に「二次元大好き氏」とでも呼びましょう。彼は見事現役で大学に合格し(エライなぁ)、それを機に駅近くに下宿を借りたのでした。そして名は体を表すという訳で、二次元氏の部屋にはPCゲームやマンガや同人誌、当時放送していた様々なアニメのポスター(もちろんエヴァもあった)などが所狭しと占拠しており、私はここで「実に刺激的な数々の体験」をするのですが、それは別の話です。

 

 さて、当時二次元氏はPCゲームをメインに遊んでいましたが、コンシューマはセガサターン(SS)を所持していました。PCゲームはアレでしたが、しかしSSに関しては、二次元氏は硬派なゲームが大好きで、SS版の「ダライアスⅡ」、「ダライアス外伝」、「レイヤーセクション(AC「レイフォース」の移植版)」などのSTGの他に「真・女神転生デビルサマナー」「トゥームレイダー」などのガチのゲームも遊んでいました(本当はSSでもアレがあったかもしれないが)。あと「セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん」が大好きでした。

 私は予備校帰りにちょくちょく、というかほぼ毎日のように、二次元氏の家に遊びに行きました。で、2人して当時流行っていたTCG「マジック・ザ・ギャザリング」で対戦したり、ボケーっと「寄生獣」を読みふけったり、二次元氏がPCゲームに取り掛かり始めると、私はSSを起動させて「ダライアスⅡ」をプレイするという、まぁボンクラだったわけです(ちなみにこのSS版ダライアスⅡは非常に特殊な仕様だったのですが、それはまた別の機会にお話しします)。

 

 さて、その日も二次元氏の家に遊びに行くと、いつもはPCの前が定位置の彼が、珍しくSSの前に陣取っています。画面を見ると、はて、どこかで見たようなゲーム画面です。砂漠、廃墟、夕日…。これ、メタルブラックじゃないか!慌てて二次元氏に問いかけます。

 

「コレ、メタルブラックじゃない!?」

「うん。」

 

 …間違いありません。メタルブラックです。しかしSSに移植されているとは知りませんでした。メタルブラックを見るのは東京は神保町での初プレイ以来ですが、二次元氏のプレイを横で見ていますと、あの時の自分がどれだけ舞い上がっていたか良く分かります。あの時の私はちょっとエネルギーが貯まると、すぐにビーム解放をしていました。何故って、カッコ良かったからです。しかし結果ショットレベルが最低になり、苦戦を強いられました(あたりまえ)。

 しかしさすがは持ち主の二次元氏です。しっかりとエネルギーを温存し、危なくなってから初めてビーム解放をします。しかしこの時のビーム解放は、私の時のように前方に極太ビームが出るのではなく、画面全体に稲妻のように走ったのでした。その様子を指さして、私はバカのように二次元氏に聞きました。

 

「コレナニ?」

 

 二次元氏は無言で説明書を寄越します。思えば神保町でのファーストコンタクトではろくにインストカードを読んでいませんでしたし、他のプレイヤーもいませんでした。そう、ここで私は初めてメタルブラックの正確なルールを知るのでした。そうか、レベルMAXの時は拡散ビームになるのか…。

 

 さて3面ボスの極太ビームに吹き飛ばされた二次元氏は、一息ついてからお茶を煎れてくれました。聞けばAC版が好きだったが、クリアしてなかったので買った、とのこと。実に実直な理由です。私は先程説明書で読んだ知識に沿い、二次元氏のプレイを見た上で、1つ質問しました。

 

「ビーム干渉はしないのか?」

「あれ(エネルギーボール)をボスにぶつけるより、連射して撃ち込んだ方が楽だよ。」

 

 …そうなのかーっ!ん?待てよ?ということは…。

 

「じゃあ、ビーム解放はボスでは使わないのか?」

「というより、MAXの時の拡散ビームを道中の緊急回避で使うくらいしかないな。」

 

 …やっぱりそうなのかーっ!結局ビーム解放は緊急回避用ボムみたいなもんだったわけです。それを私は神保町で調子こいて連発してしまいました。そりゃ2面で終わるよね。さてさて、二次元氏は結構やり込んだらしく、他にも色々教えてくれました。曰く、

 

・敵の出現位置は決まっているが、敵が弾を撃つタイミングがランダム(なので、常に拡散ビームを撃てるようにしたい)

・敵も自機と同じビームショットを撃ってくるが、相殺出来る(なので、ショットレベルが高い状態を維持したい)

・ビーム干渉は、結局後からビームを出した方が勝ち(ボスが極太ビームを出してから、自機も解放すると良い)

・敵ボスの極太ビームは、実は自機の連射ショットで押し返すことが出来る(が、特に意味はない)

 

 …なるほど。そこまで分かっていて、何故さっきは3面のボスでやられたのかと聞けば「眠くなったから」だそうで、少し寝るので、好きに遊んでいて良い、と言い残し、そのままコタツで寝てしまいました。…これはメタルブラックをじっくり遊べるチャンスである。そう考えた私はすぐにSSを起動、メタルブラックに取り掛かりました。コイツは相変わらず他人の家でゲームするようです。ともあれ、ゲームスタートです。

 

 自機ブラックフライが廃墟となった高層ビル群を抜け、砂漠に出ます。神保町で聞いた寂しげな曲が始まりました。あぁ、この曲だった。あの時は他のゲームの効果音で半分以上かき消されていましたが、今は二次元氏の寝息だけ。実にはっきりと聞くことが出来ます。荒涼とした砂漠と、眩しい夕日、廃墟となった街が曲と重なり合い、何とも言えない虚無感を湧き上がらせます。何だか頭の後ろがジワジワとします。鳥肌が立っているのです。なんて美しく、残酷な演出なんだろう。私は夢中でショットボタンを押します。

 そこへ地球側の戦闘機がやってきますが、有無を言わさず迎撃。更には不気味な侵略者が次々と見えてきます。しかしそこは1面ですので、特にむつかしい場面もなくボスへと到達。芋虫の上に甲虫が乗ったような奇妙な形の生物が、土煙を上げて地面から出てきます。そして一声咆哮すると、手当たり次第にNEWALONEを食べ始めます。

 そしてまた咆哮すると体をのけ反らせ、出ました極太ビーム!私は二次元氏の教えに従い、しばらく待ってからこちらもビーム解放!ボスのビームに重ねると、双方のビームが放電し、中間地点で暗赤色のエネルギーボールが発生します。それはジリジリとボスの方へと向かい、遂にはボスに重なりダメージを与えます!そして、爆発!1面クリアです!

 

 なるほど、確かに二次元氏の言う通りだ。ビーム干渉は後出しなんだな。今後もビーム干渉は後出しにしよう、と心に決め、ボーナスステージを挟んで2面が始まりましたが、ここで私は再び二次元氏の言葉を思い出しました。

 

「MAXの時の拡散ビームを道中の緊急回避で使うくらいしかない」

 

 この言葉の意味がやっと分かりました。序盤、画面後方からミサイル(地球側の核ミサイル)が飛んで来るのですが、1面ボスでビーム解放を使ってしまったために自機のショットレベルが最低で、つまりショットが小さく、ミサイルに相当近付かないと破壊出来ません。また中ボスのマンボウ型敵機はビームを激しく連射してきて、自機のショットで相殺出来ますが、押されてしまいます!結局押し切られてミス。

 …そう、ビーム干渉は確かに楽しいのですが、直後自機のパワーアップが最低になるので、その後の敵破壊が厳しくなり、結論として旨味がありません。そもそも神保町の時も「ビーム解放 → ショット最弱」の憂き目を見たのですから、当然と言えば当然なのです。…でも、人間、痛い目に遭わないと分からない時もあるよね!私はゲームオーバー画面を見ながら、そう己に言い聞かせたのでした。

 

 その後も私は二次元氏の家でメタルブラックを遊ばせてもらいました。二次元氏はその間PCゲームで遊んでいましたが、時折メタルブラックをプレイし、私はそのプレイを見て、自分のプレイの参考にしました。ボス戦では鬼の連射による速攻で長期戦を避けることビーム解放時はNEWALONEを取ることで解放時間を延長出来ることシューターの矜持としてコンティニューはしないこと、などなど(特に最後は重要)。そして2面の月、3面のスペースコロニーと順調にクリアし、遂に最終6面に到達しました(この時も二次元氏は寝ていました)。

 

 そこは遠く銀河が見えますが、スペースコロニーの残骸の向こうには異相次元の岩石が漂い、これまでのステージが全てごちゃ混ぜになったような地形で、やはりこれまでの敵が次々と襲い掛かります。なんだここは?しかし考える間もなく、敵の猛攻が続きます。ビーム解放による緊急回避が頻発しますが、しかしNEWALONEがあまり出現しないためエネルギー補給が出来ず、ガチ避けが要求されます。たまらず1機、また1機と自機が吹き飛びます。

 そして2つの月が飛び去り、銀河は消え去り、無数の泡が生まれる場所に到達しました。画面奥から、何か光る点がこちらに向かってきます。光る点は巨大化し、イルカのような、クラゲのような奇妙な生物を形作りました。どうやらラスボスのようです。

 体内中央に光る物体があり、ここが弱点のようですが、何故か攻撃してきません。取りあえず弱点を攻撃しますと、爆発音とともにラスボスはノックバックし、広大な宇宙だった背景がネガ反転し、BGMはこれまでの面のものに変化します。するとボスが画面上方に向かい、尻尾らしきモノをニョキニョキと伸ばしました。そして先端が光り、極太ビームです。全く油断していたために簡単に吹き飛びました。

 残機はもう2機ありますが、敵の攻撃が分からないので油断出来ません。とにかく弱点を攻撃すると、再びボスはノックバックし、背景とBGMが変わりました。そこで私は目を疑います。背景には始祖鳥の化石が映し出されていました。そしてボスがノックバックする度に背景とBGMが切り替わります。石斧を持つ原始人類、機械文明、兵士と戦闘機、大量のゴミ…。これはなんなんだ?

 その間もボスは極太ビームを放ち、自機を追尾する謎の物体を放ってきます。極太ビームは前兆があるので何とか避けられますが、追尾してくる物体はなかなか硬く、後手後手に回ってしまいます。ここでまた1機失ってしまいます。

 そしてまたボスがノックバックし、背景が切り替わります。…そこには子猫がいました。無機質なモノクロで描かれた歪なビル群を景色に、子猫がじっとこちらを見ています。私は背筋に寒いものを感じました。このラスボス戦は、何かとんでもないことを訴えかけている…!それでもゲームは止まりません。私が堪らず緊急回避としてビーム解放をすると、突然全ての背景が回転し…。

 

 スタッフロールを見ながら、私はエンディングの意味を、いやこのゲームそのものを考えていました。荒廃した地球、破壊されたスペースコロニー、木星、銀河系、人類、機械、ゴミ、そして自機の名称、「ブラックフライ」。それはどう考えても1つのことを指しているのですが、どうしてもエンディングと繋がりません。

 そこへ二次元氏がムクリと起き上がりました。どうやら私のプレイを見ていたようです。私はエンディングで示された映像と英文について聞きました。二次元氏は1つの解釈を示し、私もそれに納得しました。こうして私のメタルブラック攻略は終わりました。

 その後、PS2を入手した私は、「タイトーメモリーズ」というタイトー自社作品集を買い、再びメタルブラックをプレイしました。そして何度かエンディングを見ましたが、やがて違和感を感じ始めました。何か変だ。しかし特にその事を追求することなく、時は流れました。

 

 …しかし、この記事を書くにあたり、私は今一度、メタルブラック全編を動画サイトで見直しました。すると、あの時の違和感が膨れ上がりました。つまり「あの時の二次元氏の解釈『夢オチ』はちょっと違う」と確信したのです。私は何度もメタルブラック全編を見直し、それからメタルブラックのオリジナルサントラ(二次元氏に土下座して譲り受けたもの)とアレンジ版のライナーノーツを読みました。またネットで「メタルブラック」と検索し、詳しい設定資料や多くの人達の解釈も目を通しました。そして私は1つの解釈に辿り着きました。私の解釈はこうです。

 

 人類は進化し、機械文明を築くに至った。しかしそれは大量消費と汚染を招き、地球そのものを破滅に追いやるものであった。人類は地球にとって「ブラックフライ」、つまり己にたかる黒蠅以外の何物でもなかった。

 地球の意思は隕石群と侵略者という形で人類に牙を剥いた。そして人類を和平協定によって荒廃した地表に縛り付けることで、緩やかに滅びさせるはずだった。

 しかし1人の兵士の抗戦により、地球は敗れる。それは地球の死を意味したが、地球が死ぬ瞬間の爆発により、周辺に漂い、次々と生まれる泡、すなわち「別の宇宙」へと人類は移動する。

 その宇宙では、地球は自然豊かな惑星であり、人類と地球との戦いはある人間の見た夢として記憶される。しかし人類が再び地球を汚染すれば、地球はまた牙を剥くだろう。それが現実となるかどうか、それは誰にも分からない…。

 

 …しかし、先にも述べましたように、このゲームのエンディングは様々な解釈が可能で、プレイヤーの数だけ解釈が存在すると言えます。私の解釈もその1つに過ぎず、重要なのはむしろ「このゲームが多くのプレイヤーに解釈を促した」ことだと思います。それはまさにラスボスの場面で次々と生まれる泡、宇宙であると言えます。それだけこのゲームのメッセージ性は強烈だったのです。

 …皆さんにも是非、実際にプレイしたり、攻略動画を見たりして、このゲームを解釈していただきたいと思います。それこそが、メタルブラックというゲームの魅力なのですから。

 

 

 それではまた、十四回表でお会いしましょう。



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過去のホームページ時代より寄稿させていただいておりましたが、とある作品を完結させぬままに十数年すっかり忘れ、この度親方の号令により、再び参加と相成りました、todomeと申します。 主に小話を寄稿させておりますが、マンガ、ゲームにつきましても、今後ご紹介させていただこうかと思っております。どうぞお付き合いください。

 - ゲーム, いにしえゲーム血風録, トドメ氏

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