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いにしえゲーム血風録 十回の攻防 「グラディウスとオレ(スピーダ!編)」

      2016/09/14   posted by

 さて本作「血風録シリーズ」も結構な回数を重ねました。ひとえに生暖かい目で見守ってくださった皆様のおかげであります。ここに厚く御礼申し上げます。さて、ここまでお読みいただいた奇特な読者の皆様ならば、恐らく本作に対してある疑問を抱いていると思われます。つまり、

 

「なんで『グラディウス』を取り上げないのだ?」

 

 ということです。前作「回顧録」は「ネットであまり見かけないゲームを取り上げる」というコンセプトでしたから、グラディウスのようなビッグタイトルは完全にスルーでしたが、本作「血風録」は「有名ゲームを敢えて取り上げる」というコンセプトなので、どう考えてもグラディウスを取り上げないのはおかしい。

 もちろんこれには理由がありまして、私もゲームバカの端くれ、出来る限りグラディウスシリーズに触れてきました。しかしながら歴史のあるタイトル故、実に作品数が多いのです。

 アーケードだけでもナンバリングタイトルが4作品、外伝である「沙羅曼蛇」も2作品、その沙羅曼蛇の海外版が1作品、コナミバカ全開の「パロディウスシリーズ」も3作品、萌え大爆発の「オトメディウス」が1作品あります。

 これに家庭用専用タイトルや移植版、それに携帯機専用タイトルを加えると、もうどうかしている数になります。正直、それらを1つ1つご紹介するのは、人類には無理です。

 ですから今回は「グラディウスシリーズ」という括りにして、この偉大なるシリーズと田舎のゲーム小僧との因縁(おおげさ)を徒然とお話ししようと思うのです。したがって各作品の登場は「リリースされた順」ではなく、「私がプレイした順」ということになり、タイトルが前後致しますので、どうかご容赦ください。

 

 さて、もはや説明の必要はないと思いますが、一応「グラディウスって何?」というところから始めようと思います。

 

 グラディウスは1985年にコナミより発表された強制横スクロールSTGで、当時横スクロールSTGは珍しくありませんでしたが、しかし非常に斬新なシステムを搭載していました。すなわち「パワーアップゲージ」と「オプション」の概念です。

 まず「パワーアップゲージ」ですが、それまでのSTGは「Aというパワーアップアイテムを取ると、武器Aが強化される」というように、パワーアップアイテムと自機の装備は一対一対応となっていました。しかしグラディウスはパワーアップカプセルを取ることで画面下のゲージが移動し、任意の箇所でパワーアップボタンを押すことで、その武器を強化出来るという、プレイヤーが好きなようにパワーアップを選べる画期的なシステムでした。

 そして「オプション」はパワーアップの一つなのですが、自機の動きをトレースし、しかも自機と同じ攻撃が可能で、その上無敵(敵も地形もすり抜ける)という、まさに自機の分身とも言える武装でした。簡単に言えば画面上に無敵の自機がもう1機出現するようなもので、しかも最大4個まで装備出来ましたから、単純に攻撃力が5倍に跳ね上がる強力な武装でした。

 そして忘れてはならないのは、綿密にデザインされたステージ群で、どのステージも明確なテーマの元に様々な仕掛けが施され、先のシステムを最大限に生かせるよう、逆に言えば最大限に生かさなければクリアが困難なようにデザインされていました。

 これらのステージは強いパターン性を持っていましたが、同時にある程度の不確定要素も含まれており(例えば火山弾の軌道や一部の敵の挙動など)、単なるパターン学習だけではなく、STGの基本的なスキルも必要とした絶妙なバランスとなっていました。結果、何度プレイしても常に新鮮な気持ちと緊張感を味わうことの出来る、まさに傑作と言えました。

 グラディウスは大好評となり、これを受けて次々と、えぇ次々と、続編が作られました。それは先述のようにアーケードに留まらず、家庭用ゲーム機や携帯ゲーム機でも開発、移植され、今や横スクロールSTGの代名詞とも言える存在となったのです。

 

 それではシリーズ通しての基本的なシステムをご紹介しましょう。先述のようにゲームは強制横スクロールSTGでループ制です(一部2周エンドもある)。8方向レバーで自機ビックバイパーの移動、ボタン1でパワーアップ、ボタン2で対空ショットを発射、ボタン3で対地ショットを発射します。敵や敵弾、地形に触れるとミスになり、残機を全て失うとゲームオーバーとなります。

 さてパワーアップですが、先述したように画面下にはゲージが存在しています。最初は点灯していませんが、赤い敵を破壊するか敵編隊を全滅させることで出現する、赤いパワーアップカプセルを取ることで一番左のゲージが点灯し、以後カプセルと取るごとに1つ右に移動していきます。いずれかのゲージが点灯した時にパワーアップボタンを押すことで、点灯している装備を取得することが出来ます。そしてパワーアップゲージは消灯し、再びカプセルを取ると、また左から点灯していきます。なお、一番右が点灯した段階でカプセルを取ると、ゲージは一番左に戻ります。また時折青いカプセルが出現しますが、これを取ると画面上の敵を全て倒すことが出来ます。

 

 さて、パワーアップゲージは(基本的に)6段階あり、左から順に以下のパワーアップがあります。

 

・1:スピードアップ:自機の移動スピードが上がる。最大5速まで可能。

・2:ミサイル:自機の前方斜め下にミサイルを投下出来る。ミサイルは地表に着弾するとそのまま前進し、敵に当たるか、垂直な壁に到達するまで前進し続ける。

・3:ダブル:自機の対空ショットが前方と前方斜め上に同時に発射出来るようになる。ただし連射性能が落ちる。

・4:レーザー:自機前方に青色の長いレーザーを撃つことが出来る。非常に高威力で、ザコ敵なら貫通する。また発射後は自機の縦移動によって同調させて動かせる。

・5:オプション:自機と同じ装備、同じ速度、同じ動きをする無敵の僚機が装備される。最大4つまで装備可能。

・6:?:敵弾を防ぐシールドが装備される。一定数の敵弾を喰らうと消える。

*なお、ダブルとレーザーは同時に装備出来ません。

 

 以上のように、基本的にゲージの右に行けば行くほど、つまりカプセルを多く温存するほど、強力な武器が装備出来るという訳です。しかし各ステージに出現する赤い敵の数はある程度決まっており、したがって取得出来るカプセルの数もある程度決まっていることになります。つまりどのようにパワーアップしていくかをマネジメントしなければなりません。

 ある程度スピードを上げておくのが良いのか、それとも先にダブルを装備するべきか?強力なレーザーを装備するべきか、少しガマンしてオプションを取得するべきか?そもそもダブルとレーザーではどっちが楽なのか?このヤキモキした感じがグラディウスの醍醐味とも言えるでしょう。

 

 さて各ステージは大まかに言って「空中戦」、「本編」、「ボス」の3部構成になっています。まず「空中戦」では敵編隊や赤い敵が多く出現するので、パワーアップがしやすく、ここで本編に備えることになります。

 そして「本編」では1つのテーマに沿ったステージが展開されます。テーマはシリーズ通して実に多岐に渡っており、例えば「火山」、「細胞」、「人工太陽」、「結晶」、「高速スクロール」、「砂漠」、「植物」、そして忘れてはならない「モアイ」などです。これらのテーマに沿った様々なギミックがプレイヤーを苦しめます。

 そして本編を突破すると「ボス」が待ち受けています。初代は「ビッグコア」という大型戦艦が毎ステージ登場していましたが、シリーズを重ねるにつれて、非常に特徴的なボスが登場するようになり、ボス戦だけでも一苦労、という流れになっていきました。終いには「本編」で歴代シリーズのボスが次々と登場する「ボスオンパレード」まで登場し、その後にさらに手ごわいボスが登場する、なんていう面もありました。

 

 このような「ステージ毎に異なるテーマがある」という作りも、グラディウスが先駆けでした。それまではせいぜい背景が変わるか、敵が少し変わるくらいのものでしたが、グラディウスほど各ステージの特徴が異なるゲームはそれまでありませんでした。実際、その後のSTGはステージごとにテーマが設定され、それに準じた演出が行われることが当たり前となりました。特に「R-TYPE」や「オーダイン」、「メタルブラック」などは強い影響を受けていると言えるでしょう。

 そしてこれらのステージ演出は、緻密なドット絵とBGMで彩られました。自機ビックバイパーの造形や敵機の光沢、あるいは生物系の敵のグロテスクさは現在でも見劣りすることはなく、各ステージのテーマを余すことなく表現していました。また勇ましくもテンポの良いBGMも気分が盛り上がるだけではなく、この上なくステージのテーマに上手くマッチしていました。そして世界観の構築に一役買うどころか、ゲームにおけるBGMの重要さを知らしめたと言えるほど、クオリティの高い名曲ばかりでした。

 名作と呼ばれるゲームは必ずと言って良いほど「システム」と「グラフィック」と「BGM」が高次元で融合しているものですが、グラディウスはまさにそのお手本と言えるものでした。だからこそ多くのプレイヤーに支持を得て、長い歴史を歩むことが出来たのでしょう。

 

 さて、グラディウスを語る上でもう一つ忘れてはならないのが「復活パターン(ミスした際に自機の装備を立て直し、ゲームが続行出来る状態にまで戻すルーチン)」の構築です。このゲームはミスをすると少し前の場面に戻され、初期装備で再スタートとなるのですが、これが一般的なSTGであれば「この敵を倒して、それからこのパワーアップアイテムを取って…」という流れになると思います。つまり復活パターンの構築がある程度容易であったわけです。

 しかしグラディウスの場合、その特異なパワーアップシステムのために、復活パターンの構築が非常に複雑なものになりました。それこそ先の「スピードを上げるか、ミサイルを装備するか」によって、その先のパターン構築が全く変わってくるからです。つまりパワーアップの自由度が、そのまま復活パターンの複雑さに直結しており、プレイヤーはまさに試行錯誤を繰り返して復活パターンを構築しなければならなかったのです。

 実際、グラディウスシリーズの復活は非常にむつかしく、スピード最遅、武器最弱の状態で、殺る気マンマンの敵集団の真ん中に放り込まれるのですから、いくら残機があっても全部パー、ということが珍しくありませんでした。「途中で死んではいけないコナミのゲーム」なんて揶揄されたくらいです。

 しかしどの世界にも猛者がいるもので、無限とも言える選択肢から、それはもう相当な忍耐と根性と胆力、そして恐らく結構な投資によって、復活パターンを構築する者が現れます。彼らはおよそ復活不可能と思われる箇所でも復活パターンを構築し、結果どんな場所からでも復活が可能になるまでになった、と聞きます。それら復活パターンはいわば「極意」であり、ゲーセンごとに様々な復活パターンが編み出されては、しかし常連の間だけでの秘密で、つまりは門外不出の秘伝であった、という話です。

 ともあれ、この復活パターンの構築もグラディウスの面白さであることは確かで、シリーズ通して様々な復活パターンが模索されています。様々な装備で敵を撃ち抜くSTGとしての面白さと、復活パターンを構築するPZLとしての面白さを併せ持つ、それがグラディウスの魅力と言えるのかもしれません(もちろん、私はそんなに復活パターンは得意ではありません)。

 

 さて、以上がグラディウスシリーズの主な概要ですが、文字だけではピンと来ませんので、取りあえず初代グラディウスはこちらを、復活パターンについてはこちらをご覧ください。今見ても、練られたシステムとステージ構成は素晴らしいものがあります。現在は…、まぁ、どこででもプレイ出来ますので、お好きなハードで一度はお楽しみくださいね。

 

 

 さて、こんなに有名なゲームをあのゲーセン小僧はどのように遊んだんでしょう?私とグラディウスの本格的なお話は、次回へと続きます。



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todome

過去のホームページ時代より寄稿させていただいておりましたが、とある作品を完結させぬままに十数年すっかり忘れ、この度親方の号令により、再び参加と相成りました、todomeと申します。 主に小話を寄稿させておりますが、マンガ、ゲームにつきましても、今後ご紹介させていただこうかと思っております。どうぞお付き合いください。

 - ゲーム, いにしえゲーム血風録, トドメ氏

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