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いにしえゲーム血風録 一回裏 「ファイナルファイト(吐き捨てられたガム編)」

      2016/04/18   posted by

 さてファイナルファイトがリリースされた当時、私はまだゲーセン小僧ではなく、その入り口、つまり屋上遊園地に出入りする中坊でありました。そこでは1プレイ30円という破格の価格設定で、私は初めてファイナルファイトを目撃することになりました。

 しかしそのような30円筐体というのは、総じて「画面とジョイスティックが小さい」ことが特徴でありまして、後ろから見学することが非常に困難でした。それでも友人のプレイを見ていますと、どうやらアクションゲームなのはわかりますが、あれよあれよと敵に殴られ、ミスしていきます。実は30円筐体のもう一つの特徴として「難易度設定が高い」こと挙げられるのですが、それを知らない私は「どうやらむつかしいゲームのようだ」と思いました。一応プレイしてみましたが、しかしあっさりゲームオーバーとなり、結局他のゲーム(「ギャラガ’88」とか)を遊んでいました。

 

 さてゲームコーナーというのは何も屋上だけにあるわけではありません。デパートのおもちゃ売り場の脇にも、ひっそりと存在していたのでした。私が通っていた所は1プレイ50円でしたが、画面も大きく、操作系もしっかりしていました。私はそこでもファイナルファイトを発見しました。ここで私はようやくゲームの詳細を知ることになります。

 つまり、これが殴り合いアクションであること、ライフ制であること、アイテムでライフ回復や、武器を取得できること、そしてキャラ特性などを知ることが出来ました。しかしそこもどうやら難易度が高く設定してあったらしく、友人たちは同じようにあれよあれよとミスしていきました。私も大きな画面でプレイしてみたいと思ってコインを投げ込みましたが、やっぱりあっさり2面の地下鉄にも乗れずにゲームオーバー。「やはりこれはむつかしいゲームなのだな」と確信した私は、すっかり尻込みしてしまいました。

 

 と、そこへ高校生らしき男がプレイを始めました。何とはなしに、後ろから彼のプレイを見つめていた我々でしたが、彼のダンナ(コーディー)はバック宙から敵の懐に飛び込み、そのまま掴みから膝蹴り、シメに背負い投げをかまします。その流れるような一連の動作に、我々は目を奪われました。それまでの我々のプレイスタイルは闇雲に敵に近づき、アホのようにパンチを連打するか、コンボからなんとなく投げるかだったからです。

 しかし高校生のプレイは明らかに戦略的なもので、意図的に敵を画面の一方に集めています。そして集まった敵をパンチでまとめて殴り倒します。しかも高校生の攻撃は妙なものでした。パンチを2発当てると、反対を向いて1発空振りをし、また元に戻って2発パンチを入れ…を繰り返しているのです。すると不思議なことに、ダンナは延々と敵にパンチを当て続けています。

 ファイナルファイト名物の「パンチハメ」です。この技はザコはおろかボス敵にも有効な恐ろしい技で、正直ゲームバランスを崩壊させるものでした。しかし延々とパンチを繰り出す体力が必要ですし、振り向くタイミングを体得しないと成功しません。実際その高校生も結構失敗し、結局3面のエディに射殺されて終わりました。彼が席を立ち、去っていきますと、バカ中坊の我々は、今見た技を体得しようと躍起になったのでした。しかし私は「ああいうハメ技を使っても、やはりむつかしいゲームなのだ」と思っただけだったのでした。

 

 さて時は流れ(と言っても3か月程度)、「キャロット」を発見した我々はすっかりゲーセン小僧となっていました。キャロットはナムコ直営のゲーセンで、当然ながらナムコ製品が並んでいましたが、どうやら店長が奇特な方、もっと言えば純粋にゲームが好きな方だったようで、結構メーカーの縛りなく入荷していました。ですから当時の人気ゲームはそつなく揃えていたと言えます(とはいえ「ダライアスⅡ」があったのは何故か)

 さてそんな中、私はそこでもファイナルファイトを発見します。見慣れたデモ画面(すきなもの「ひややっこ」など)をぼんやり見つめていた私は、以前のプレイを思い出しました。確かにむつかしいゲームですが、しかし敵を殴り飛ばす快感は初めて味わうものでした。そこへふと、あの高校生のプレイが脳裏に浮かびました。そしてあの高校生のような華麗なプレイをしてみたいと思いました。何より屋上ゲーセンやデパートのゲームコーナーは少々遠い所にありましたが、ここキャロットは学校からも家からも近い手頃な場所で、つまり練習するにはもってこいです(1プレイ50円だし)。

 そんなわけで、ここでようやく私はファイナルファイトに取り組むことにしました。え?使用キャラ?そりゃダンナでしょう、あの高校生がそうだったんだから。市長?いや、無理だから。掴みも満足に出来ない人に、市長は無理だから。

 

 まずは何よりも「パンチハメ」を体得するべきでしょう。これを覚えれば大半の敵を対処出来ます。早速1面の最初の敵で試してみます。「ピシ(ジャブ)、ピシ(ジャブ)、ズムッ(ボディブロー)」っと、いかん、殴りすぎた。慌てて振り向いて空振りをさせようとしますが、何故かアッパーカットを出してしまい、隙だらけになり、敵にワンパン食らいます。そうか、4発目は必ずアッパーになるのか、と今更ながら理解しつつ、再トライです。

 「ピシ、ピシ」で、振り向いて空振り。ダンナは虚空へボディを繰り出し、すぐに元に戻って攻撃すると「ピシ、ピシ」と上手くいきました!が、油断してそのまま「ズムッ(ボディ)、フフンッ(アッパー)」と一連のコンボを叩き込んでしまいました。幸いこれで敵は倒せましたが、とにかく1回ハメが成功しても油断してはいけないようです。

 とにかく反復練習です。これが体育会系でなくて何でしょう。ともあれ、何回か練習していると、空振りのボディが敵に当たってしまい、結果元に戻っての攻撃がアッパーになり、ハメ失敗になってしまいました。そしてフクロにされるダンナ。そのまま「オボォアッ!」と吹き飛ばされ、ゲームオーバー。ダイナマイトの前へ連行です。

 

 …そうか、ハメ中に後ろに敵がいると、そいつに空振りが当たってしまうんだな(当たり前)。となると、敵を一方に集めたあの高校生の戦略も納得で、一方に集めてしまえば空振りの暴発(変な日本語)を防ぐことが出来るからです。そうなると、敵を上手くさばく方法を考えなければなりません。つまり投げ技です。このゲームは攻撃のコンボの最後にレバーを同時入力すると投げ技に移行し、自分の背後へ敵を投げ飛ばせるので、例えば敵に挟まれた時は、右側の敵を攻撃して最後に後ろへ(つまり左へ)投げてしまえば、敵を一か所にまとめることが出来ます。これを繰り返して敵をまとめ、そしてパンチハメをすればいい「はず」です。

 さて、言うのは簡単ですが、果たしてそんなに上手くいくのでしょうか?ともあれ実践ということで、50円入れてプレイ開始。まずはコンボからの投げの感覚を掴むため、片っ端から投げてみます。「ピシピシズムデリャー」「ピシピシズムデリャー」。…これはこれで面白いじゃない。いやいや、とにかくどうやらレバーを入れっぱなしなら、コンボの最後は必ず投げになるようです。

 しかしこれでは闇雲に投げているだけで、ちっとも敵を集めることが出来ません。どうしたもんかなぁ。と考えつつ、それでも未完成のパンチハメを駆使して、2面ボスのソドムに到達。しかし突然のタックルをもろに食らい「オボォアッ!」で、ダイナマイトの前に連行です。

 

 …これはどうするべきだ。パンチハメは出来ないことはないが、与えられるダメージが微量すぎて、こっちが疲れる。と、そこであの高校生のプレイを思い出しました。彼のダンナは縦方向からソドムに近付き、掴み状態にしてから膝蹴りを食らわせて…、そうか、ここで掴みが重要になってくるのか!ここでようやく掴みの重要性に気付いた私は、今度は掴みの練習に取り掛かりました。

 バカ正直に正面からでも掴むことは出来ますが、十中八九殴られます。しかし敵の攻撃は横方向だけなので、あの高校生のように縦方向から近付けば、簡単に掴めることが分かりました。しかもこの状態からは、左右どの方向へも投げられることも分かりました。するとアラアラ何ということでしょう、敵を簡単に一か所に集めることが出来るようになってきました。そうなればパンチハメも上手く継続できるようになり、体力を温存して先に進めるようになってきました。

 さらに、なんとこのキャロット、エクステンド設定が100000点で1UP、その後200000点ごとに1UPするという激甘設定になっていることに気付くや、これはクリアも夢ではないと思えるようになりました。すると人間ゲンキンなもので、これはもう絶対クリアしてやろうと、闘志に火が点いたのでした。

 

 掴みを覚えてからはソドムも敵ではなくなり、思う存分人様の車を破壊した後、繁華街へ突入。金網デスマッチを強いられますが、ここもパンチハメで難なくクリア。エディの銃撃は苦戦しましたが、画面端からしか銃撃しないことを知るや、銃撃の先読みが可能になり、やがて安定して撃破(もちろんガムは拾う)出来るようになりました。

 そして4面の工業地帯は炎の海から始まりますが、しかしスタート地点から上下に動かなければ炎にやられないことを知ると、敵がアホのように火だるまになる様をゲラゲラ笑います(無垢な残虐性)。しかしここで中盤最大の山場がやってくるのでした。そう、4面ボス、ロレントです。

 

 …といったところで、長くなってしまいました。次回に続きます。



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todome

過去のホームページ時代より寄稿させていただいておりましたが、とある作品を完結させぬままに十数年すっかり忘れ、この度親方の号令により、再び参加と相成りました、todomeと申します。 主に小話を寄稿させておりますが、マンガ、ゲームにつきましても、今後ご紹介させていただこうかと思っております。どうぞお付き合いください。

 - いにしえゲーム血風録, トドメ氏

Comment

  1. galthie より:

    記事お疲れ様です。
    「パンチハメ」は会得するとワンコインで大分先まで進めますよね。
    当時のカプコンのゲームって最初から盛り込んだのかわからないですが、こういった技と難易度が絶妙だったような気がします。

    「縦方向からソドムに近付き、掴み状態にしてから膝蹴り」でしたね。
    端に追いやってから「パンチハメ」といった流れでした。

    うーん、懐かしい。
    「天地を喰らう1・2」も同じ流れですが、好きでしたね~。
    続編も楽しみにしています。

    • todome より:

       そうですねぇ、パンチハメは強力過ぎましたねぇ。それでも盤石とは行かず、敵の猛攻にやられてしまうという、ウマイ難易度です。結局、可能なアクション全てを駆使しないとクリア出来ないように設計されているんですよね。

       私の場合は最終的には「ソドム掴み→膝蹴り→投げ→リングサイドでジャンピングニー→掴み→投げ(以下繰り返し)でしたねぇ。点を稼ぎたい人はパンチハメでしたけどね。しかもガイで。修羅ですよ。

       天地を喰らうは1と2ではまるで違うゲーム性でしたね。1は「格闘版ソンソン」のような感じでしたが、2はガッツリとベルトスクロールアクションでした。コンボの最後にコマンド必殺技が出たりと、派手でしたねぇ、2は。

       あとはキャプテンコマンドーですね。これは後々ご紹介しますので。

       それではロレント撃破まで、もう少しお待ちください。

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