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いにしえゲーム回顧録 ヒーローインタビュー 「その他数多のゲームたち」

      2016/01/05   posted by

 さて、これまで色々な「ネットではあまり見ないゲーム」をご紹介してまいりました。基本的にバカゲーが多かったような気がしますが、さて、実はこのコラム、正確には「ネットであまり見ない、私がサルのようにプレイしたゲーム」でありまして、ですから他にも「ネットでもあまり見ないし、それほどプレイしなかったけれど、強烈に印象に残っているゲーム」もあるのです。今回はそのような「受け止めきれなかったダイナマイトパンチ」をいくつかご紹介したいと思います。

 

 

・ファンキージェット(ミッチェル)

 ミッチェルは「ポンピングワールド」などの固定画面アクションゲームを得意とするメーカーで、このゲームも固定画面アクションです。プレイヤーは背中にジェットを背負ったボクサーとなり、ステージ内の敵を全て殴り飛ばすことが目的です。

 レバーで8方向移動、ボタンでパンチ。ライフ制で、敵の攻撃を食らうとゲージが減り、ゼロになるとミスです。さて、敵をパンチで吹き飛ばしたとき、その方向にいる他の敵を巻き込むことができ、高得点や各種アイテム(パワーアップやライフ回復)取得に有利となります。また時折出現するジェットパックを5つ集めるとスゴイジェットパックが出現し、これを取るとジェットがスゴイ煙を出し、どうやら制御不能になったらしく、両手を振り回した状態の無敵となります(もちろん演出なので、ちゃんと操作は可能)。

 さてステージには地形があり、敵もそこをジャンプしたり飛び降りたりして移動しているのですが、何しろこっちはジェットですから、地形を全く無視して移動することができ、結果一方的に敵を殴れる上にパンチの攻撃判定も広く、加えて吹き飛ばして巻き込むことが容易な敵配置になっているものですから、なかなか大味なゲームでした。

 しかも敵はそれ以上の人海戦術で対抗するので、乱戦必至の結構大味なゲームでした。そこへ結構な確率でジェットパックが出現し、容易に無敵になってしまい、画面を一周するだけでクリアすることもあるという、予想以上の大味なゲームでした。しかしそのくせライフ回復アイテムが出にくく、5面ごとに出現するボスが異常に強かったりと、理不尽にプレイヤーを殺りにくる設計もあり、注文通りの大味なゲームだったといえましょう。

 実際、私が5回プレイする前にキャロットから姿を消したのでした。しかしBGMがなかなかイカしていましたし、大味ながらも敵を吹っ飛ばして巻き込むアクションは爽快でした。そして何よりジェット暴走エフェクトが泣いた小学生がキレた感じでなかなか笑えました。もう少しやり込みたかったゲームであります。

 

 

・サンダーブラスター(アイレム)

 シューティングの修羅、アイレムより発表された縦シューです。が、他のシューティングにはない斬新なシステムを搭載しています。即ちこのゲーム、ガチで「連射が命」なのです。

 レバーで8方向移動、ボタン1でショット、ボタン2でボムを使用します。ショットにはバルカン、レーザー、ボール、ファイアの4種類があるのですが、正直これはどうでもいいのです。本作にはパワーアップアイテムが存在しません。その代わり、ショットの威力は連射速度によって決定されるのです。

 画面左に6段階に区分けされたショットメーターがあり、連射速度が速ければ早いほど上昇していきます。それに連れてショットの威力も強化され、例えばバルカンであれば「単発→連射→2連射→3連射…」と6段階に強化されていきます。またボムは使用回数が無制限ですが、この威力も使用時のショットの連射速度に依存します。

 しかしながら一度連射速度が低下するとメーターはみるみる降下し、当然ショットの威力も降下。苦しい展開を強いられますから、事実上高速連射を継続しなければなりません。またステージクリア時のボーナスは「どのパワーレベルで敵を破壊したか」によって算出されますので、ハイスコアを狙う意味でも高速連射が求められます。

 ということなので、実際プレイしてみると、延々と高速連射をすることになります。最初のうちは鼻歌混じりで連射していますが、3面を超えたあたりから地獄になってきます。しかも敵も硬くなってきますから、より一層のショットパワーが必要になります。またボム無制限であるために高威力のボムを使わないと抜けられないようなギミックが存在します。したがってやっぱり高速連射を維持する必要があるわけで、もう腕が疲れて涙目です。

 おかげで雑魚ラッシュのような物量攻撃の前では火力不足で撃墜される始末。しかも毎回同じように力尽きる有様です。半ベソかきながら店長に「連射装置入れて」と頼みますが、「連射装置装備=高威力維持=長時間プレイ」ということになるわけですから、店長も(たぶん)断腸の思いで「ダメ」の一言。もはや己の連射能力を鍛える以外ないのでした。

 そういうわけですから、挑んでは散るプレイヤーが続出。私も4面を超えられないままに姿を消しました。しかし余裕で連射出来ている最中は、敵をバリバリ倒せて楽しかったです。またボム無制限だったのも敷居が低く感じられました。しかし、何度も言うようですが、「ボム無制限ということは、それ相応の難易度である」ことに相変わらず気付かない中坊の私。結局計画的なボム使用という真っ当な攻略を余儀なくされたのでした。さすがアイレム。

 

 

・ザ・グレート・ラグタイムショー(データイースト)

 メーカー名を聞いただけで、既に良い予感がまるでしないというのは、実はメーカーにとっては素晴らしいことです。そんなデータイーストが作った珍奇シューティングがコレ。紹介記事は結構見つかりますが、いかんせんプレイ動画があまりなく、いわんやクリア動画は無いんじゃないか、という高難易度ゲームでもあります。

 画面は横スクロール。自機はレトロな複葉機で、フックが装備されています。レバーの8方向移動、ボタン1でショット、ボタン2でフック解除です。ショットはパワーアップアイテムを取得することで連射数が増え、また一定速度以上連射すると自機の周りに弾消し能力のある放電攻撃をすることが出来ます(ただし高次面になるほど出しにくくなる)。

 さて、このゲーム、ステージ上のオブジェクトが尋常じゃなく多いです。戦車やミサイルなど、敵キャラも多いのですが、それ以上にステージを演出するオブジェクトが多い。自動車、バイク、トラック、小型ヘリ、高射砲、馬、軍旗、椅子、キリン、象、巨大ロボなどなど。その上これらオブジェクトは自機のフックに引っかけることができ、レバー操作で振り回したり、ボタン2のフック解除で敵に投げつけることが出来ます。しかもダメージを与えることが出来るから困ったものです(ちなみにゲーム開始時にデフォルトで装備しているイガイガ鉄球は、いわゆるボム。もちろん道中でも出現する)。

 その上これらのオブジェクトは、なんと乗れます。自機の複葉機は一定ダメージを食らうことで撃墜されますが、その際プレイヤーは脱出し、人間としてプレイが続行されます。この人間状態では小型マシンガンを連射する攻撃になり、ボタン2はフック解除の代わりにジャンプになります。この時に被弾するとミスになるので、何かに搭乗する必要があります。そこでそこらへんのオブジェクトに乗るのです。乗れるオブジェクトはこれまた多岐に渡り、搭乗したオブジェクトによって攻撃方法も変わります。バイク、自動車、小型ヘリはまだ良いとして、象やキリンはどうなんでしょう。でも巨大ロボはミサイルが撃てるしカッコイイので、私は満足です。

 またステージ自体もギミック満載で、ちっちゃい工場や飛行船に飛行機のまま乗り込むという破天荒なステージや、楽しい遊園地に乱入し、たちまちを阿鼻地獄に変えてしまうビックリドッキリステージなど、シューティングであること忘れたかのような構成は一見の価値アリです。

 しかしこのゲーム、非常にむつかしいのです。基本自機の複葉機も油断するとすぐに撃墜されますし、道中のオブジェクトも性能が一長十短過ぎてすぐに破壊され、また裸一貫に逆戻りしてしまいます。しかしこのゲームはそんなことはどうでもいいのです。このゲームの最大の楽しみは道中のオブジェクトを最大限に遊び倒すことであり、各オブジェクトの珍奇な振る舞いを楽しむことにあるのです。

 実際、私はこのゲームをクリア出来てません。が、ゲームオーバーになって悔しい思いをしたこともありません。むしろ「今日もバカなプレイが出来て満足だ」という達成感でした。しかしやはりクリアしたいというのがゲーム小僧の心理です。とはいえ、このゲーム、あまりのむつかしさに連コインでクリアしようとしても膨大な投資が必要になってしまうのです。ですから1コインあたりのプレイ時間が異様に短くなり、そんな理由からか、やがてキャロットからも姿を消しましたが、今思うと実に惜しいことをしたと思います。

 

 

 ということで、以上が私の遊んだゲームたちです。どれも強烈なものばかりでした。しかしゲーセンの楽しみはゲームだけではないのです。最後に私がゲーセンを語る上で欠かせないと思うもの、「ゲーセンノート」について触れましょう。

 

 ゲーセンノートとは、文字通りゲーセンの休憩スペースに設置されている雑記帳のことです。ここには主に常連の攻略情報やキャラクターのイラストなどが書かれていました(あとは「うんこ」とかの落書き)。私はゲームを合間にこれを読み、あるいは書き込みをし、それがきっかけで多くの常連の方々と知り合いになることが出来ました。彼らの多くは私よりも年上で、そのような年代の方々と話をすることのなかった私は、最初相当失礼な言葉使いをしていました。しかし彼らは気にすることなく丁寧に接してくれました。

 しかしネットのゲーセンノートに関する記述にもあるように、実際ノートは争いのタネにもなりました。「○○の書いたキャラ絵が気に入らない」とか、「××の書き込みが失礼だ」とか、今思えば実に些末なことです。幸い私の書き込みは誰かを不快にすることはなかったようですが(むしろ攻略を応援されて、照れた)、しかしノート上で、あるいはリアルで言い争いをしている様子を見ていた当時の私は、同じ趣味を持つのに何故争っているのか不思議でしたが、今思えばゲームに思い入れがあるからこその争いだったように思えます。

 しかし店側としては目に余る点が多かったのでしょう。結局ノートは撤去されました。これもネットに記述されていますが、実際ゲーセンノートは常連同士の閉じたコミュニティーを作り、それが新規客の取り込みを阻害している一面がありました。具体的にはゲームをしないのに、ノート目当てで休憩スペースを占拠し、新規のお客さんが入りにくい空気を作っていたということなのです。確かにそうでしたし、先の争いもあったわけですから、ノート撤去も仕方ないことです。

 そして時は流れ現在、SNSなどの発達により、アナログな交流ツールであるゲーセンノートは一気に廃れ、また先述の争いのタネになるという理由もあり、全く見かけなくなりました。

 しかしながら、私はゲーセンノートはあって良いと思います。現に私はノートがあったおかげで、普段なら話など出来ないような年上の方と話が出来ましたし、それらを通して他人との付き合い方、特に言葉使いを学んだように思えます。閉鎖的なコミュニティーはあまり関心しませんが、しかし私のように新たな交流を築くことが出来たことも事実であり、店側が上手く管理し、客もそれに協力出来れば、ネットのSNSとは違った、濃密な交流が出来るように思えるのです(もっとも店側のインカムにつながるかと言われると、やはりマイナスのような気がするので大きいことは言えませんが)。

 

 そういうわけで、私にとってゲーセンは、ゲームとノートがセットで記憶されています。そして非常に楽しかった。それはゲームが楽しく、ゲームで遊ぶ人たちとの交流も楽しかったからです。ネットが発達した現在のゲーセン小僧たちも同じように、ゲームだけでなく、ゲームで遊ぶ人たちとの交流も楽しんでいることでしょう。ゲームにはそういう魅力に溢れています。

 

 これからもゲームが楽しく、人を繋ぐ文化でありますように。

 

 

 それではまた、お会いしましょう。



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todome

過去のホームページ時代より寄稿させていただいておりましたが、とある作品を完結させぬままに十数年すっかり忘れ、この度親方の号令により、再び参加と相成りました、todomeと申します。 主に小話を寄稿させておりますが、マンガ、ゲームにつきましても、今後ご紹介させていただこうかと思っております。どうぞお付き合いください。

 - ゲーム, いにしえゲーム回顧録

Comment

  1. galthie より:

    いにしえゲーム回顧録、充実した内容、本当にありがとうございました。
    コメントが遅れて申し訳ないです。

    ネットになかなかないなら自分がというのはモティベーションになったようですね。

    最期のゲーセンノートの話いいですね。

    ネットとはまた違ったコミュニティ、またこういったものがあるといいですよね。

    連載お疲れ様でした。
    これからもよろしくお願いします。

    • todome より:

       どうも、お疲れ様です。
       充実、というより、思い出話をだらだらフザけて書いた印象ですが、万が一楽しんでいただけたら嬉しいです。

       確かに「ネットにないならオレが書く」というのは良いモチべになりましたが、実際に書いてみると、むしろ「当時のプレイ体験を紹介する」というスタイルがあまりネットの紹介記事にはないことに気付き、後半はこちらの方がモチべになりました。

       ですからゲーセンノートの話は私のゲーム体験とは切っても切り離せないため、紹介させていただきました。とかく争いの原因になりがちですが、しかし21世紀でもゲーマーをリアルに繋ぐツールであってほしいと思います。しかし「最期」て。殉職したみたいやないか。

       「いにしえゲーム回顧録」はこれで終わりますが、しかし存外ゲームコラムというのは書いてみると面白いことに気が付きましたので、忘れた頃に有名どころのゲームも紹介する新コラムを画策しておりますので、その際は勘弁してやってください。

       最後までお付き合い、ありがとうございました。

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