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いにしえゲーム回顧録 終電間に合わねえや 「コラムス」

      2015/07/30   posted by


 昔からパズルと言えばクロスワードやジグソーパズル、スライドパズルなどが主流でありました。そこへビデオゲームが発明されたことで、パズルは熟考長考を試すものではなく、むしろ瞬間的なひらめきを求めるものが多かったように思えます。その最たるものが所謂「落ち物パズル」で、「テトリス」「ぷよぷよ」などは大ヒットしました。

 今や落ち物パズルは一つのジャンルとして完全に定着しました。いや定着したどころか、スマホやPC等でお手軽無料ゲームとして様々なタイトルが出回っていますから、もはや定番の域に入っていると言っても過言ではないでしょう。そんな訳で今回はそんな定番ジャンルの中でも、さらに古典とも言える落ち物パズル「コラムス」をご紹介しましょう。

 

 コラムスはあの暴走の老舗セガから発表されました。それまでのセガと言えば「獣王記(獣になって殴る)」「ゴールデンアックス(カマキリに乗って殴る)」などアクションゲームを多く作ってきたメーカーで、パズルと言えば「テトリス」をリリースしたくらいです。しかしこれもソ連の心理学者の考案したアイデアを買い取ってリリースしたに過ぎませんから、コラムスは事実上セガ初のパズルゲームと言えるかもしれません(言えないかもしれません)。

 

 それではシステムを説明しましょう。フィールドは横6マス、縦13マスあり、ここに縦3つに並んだ宝石が落ちてきます。宝石は縦、横、斜めに同色3つを並べることで消すことが出来ます。宝石は赤、橙、黄、青、緑、紫の6種類あり、落下してくる3個1組の組み合わせはランダムで、全てバラバラの色の時もあれば、2個あるいは3個全て同色ということもあります(3個同色の場合は接地した時点で消える)。

 プレイヤーはレバーで左右に動かし、あるいはボタンで宝石の配列を変えたりして、同色3つ並べ、次々に宝石を消していきます。宝石を消すとそこに空間ができ、上に他の宝石があればそこへ落下してきます。この時同様に同色3つが並べば再び宝石は消え、連鎖となり高得点となります。

 一定数の宝石を消すと「魔法石」と呼ばれる白く光った3連の宝石が出現します。これは接地した際、その下にあった宝石と同じ色の宝石を全て消すことが出来ます。複数の宝石を一気に消すことが出来るのですから、当然連鎖する可能性も高くなりますし、積み上がってしまった宝石を掃除することも出来ます。また一定数の宝石を消すとレベルが上がり、宝石の落下スピードが上がっていきます。

 そして宝石が画面最上部を超えてしまうとゲームオーバーになります。プレイヤーは連鎖や魔法石を上手く使い、ひたすらハイスコアを目指していくことになります。

 

 以上がゲームの概要です。さてストーリーなんですが、一応タイトル画面で天使が思案深げに宝石をボードの上に並べていたり、二人の人物が捧げ持つ布袋から宝石が飛び出てきますが、これは「それっぽい雰囲気」作りです。ストーリーなんぞありません。むしろ「あってたまるか」とすら言いたいくらいですが、これは言い過ぎです。

 この「それっぽい雰囲気」はゲーム中のパイプオルガンを思わせるBGMにも如実に表れています。宝石、パイプオルガン、タイトルの天使達。いかにも「神の遊戯」を感じずにはいられませんが、それこそセガの思うツボ(良い意味で)ですので、大いに思うツボられましょう。そしてセガのそれっぽい雰囲気に騙され、あるいは酔いながら、プレイヤーはひたすらハイスコアという天上に向かって鍛錬(あるいは修練)を積み重ねるのです。

 

 さて私がゲーセン小僧だった当時、それこそどこのゲーセンにもコラムスはありました。「大人気を博した」という記事をネットでは良く見かけるのですが、しかし当時、私以外にコラムスをプレイしていた人間を見たことはありませんでした(もっとも当時は格ゲー全盛期でしたから、あまり参考にはならないかもしれません)。ですから、私としては「こんな誰もやらないゲームを、何故どこのゲーセンも設置しているのだろうか」と大層不思議に思ったわけです(今思えば、基盤が安かったのだと思う)。しかしながら、私はこのゲームに非常に助けられました。また同時に苦しめられた経験もあるのです。

 

 中坊は基本的に金がありません。第一に小遣いを貰っても、成長期ゆえの食欲から飲食代に消えてしまうからであり、第二に年齢的にバイトが出来ず、収入が小遣いしかなかったからでもあります。ゆえに、ゲーセン小僧達は「プレイ料金の安いゲーセン」を探し求め、「長時間プレイ出来るようにゲームに長ける」必要に迫られたわけです。もちろん、中には苦行のように小遣いを貯め、家庭用ゲーム機(SFCとかPCEとか)を買い、家で存分にゲームが出来る環境を獲得した者もいましたが、しかし当時の家庭用ゲーム機のハード性能はまだまだ「ゲームはゲーセンに限る」時代でしたし、家庭におけるゲームの立場は非常に低かったので(「そのピコピコ音を聞いていると、お母さん頭が痛くなるからやめてちょうだい」等)、のびのびと素敵なゲームが出来る環境はやはりゲーセンに他ならなかったのです。

 

 さてここには2つの道が存在しました。

 1:当時全盛期の格ゲーの達人となり、対戦で連勝して延々と遊ぶ

 2:他のゲームの達人となり、比較的長く遊ぶ

 

 私の多くゲーセン仲間が1の道を選びました。彼らはコマンド入力を苦も無く受け入れ、すぐに「めくり大キックアッパー昇竜拳(だったと思うが良く知らない)」をモノにしましたが、しかし私は波動拳も出せず、「スクワット小パンチ(明らかな入力ミス)」にしかなりませんでした。

 ですから私は2の道を選ぶしかなく、結果「ダライアス外伝」でクジラドリルに挑み、「リッジレーサー」でスピンターンをかまし、「大魔界村」でわざと女の子になってみたりしました。しかしどのゲームも1プレイがせいぜい30分程でした。格ゲーを選んだ仲間の中には1コインで1時間以上遊んでいる猛者もいましたから、比較になりません。しかしそんな中で最も「もった」ゲームがコラムスだったのです。

 

 もともとは私の愚兄(ギャラクシアン3の人)がよく遊んでおり、私はそれを後ろから見学していました。愚兄はなかなか上手く、30分以上遊んでいることがザラでした。なかなか「もつ」ゲームだったこともありますが、何よりこのゲームの持つ雰囲気に惹かれた私は、迷わず愚兄に教えを乞いました。

 宝石を消す基本的な形、宝石消失エフェクト中に次に消す宝石を考えておくこと、斜めに消すと連鎖しやすいが、しかし連鎖は全くあてにならないことなど、長くプレイする上での重要事項を教えてもらいました。それを受けて早速実戦に移った私は、最初こそ5分程しかプレイ出来ませんでしたが、やがて20分、30分と伸びていきました。そしてプレイ時間を格段に伸ばした最も重要な技が「魔法石二段消し」でした。

 先述のように、魔法石は多くの宝石を消すことの出来る貴重なものですが、一回に消せる宝石の種類は1種類ですし、もちろんそうポンポン出現するものではありません。しかしこの技は1つの魔法石で2種類の宝石を消すことが出来る高威力の技でした。具体的には「魔法石を画面上方にはみ出すように設置させる」のです。こうすることで、まず魔法石の下の宝石が消えます。すると画面外に残っていた魔法石の残りが落ちてきて、もう一回魔法石の効果を使うことが出来るのです。

 この技は異常なほどに有効でしたが、しかし一つの前提がありました。「魔法石を画面上方にはみ出させる」ということは、それなりに宝石を高く積み重ねておかなければなりません。これにはゲームオーバーになってしまうリスクが非常に高いので、出来れば魔法石が出現する直前くらいに宝石を高く積み重ねておくことが理想となります。つまり魔法石の出現タイミングを知っていなければなりません。

 魔法石は宝石を100個、250個、450個…と消すたびに出現します。これには出現までの消去した宝石数が100、150、200と増加していく法則性があり、これを知っていればいつ魔法石が出現するか分かります。ですから例えば宝石を240ほど消したところでフィールドの端あたりに宝石の塔を作っておいて、250個消して魔法石が出現したら塔の上にガツンと置けば良いわけです。

 この技を完全にモノに出来た私は、遂にプレイ時間1時間越えを果たしました。当初の目的である「長くプレイする」は十分に達成出来たと言えましょう。しかしその先には想像を絶する地獄が待っていたのです。

 

 その日、私はいつものようにコラムスをプレイしていました。「まぁ、1時間ほどプレイ出来れば良いわよね」と実にぬるま湯なプレイスタイルでしたが、しかしその日に限って斜めの連鎖が上手く発生して、宝石が積み上がる危険な状況になりません。「今日は調子が良いなぁ、これは長く楽しめそうだ」と無邪気に喜んでいました。

 1時間経過。宝石はいまだフィールドの中程までしか積み上がっておらず、また魔法石二段消しを確実に実行しているために、全然危険じゃないのに宝石が大量に消え、フィールドの底が見える始末。「いや、本当に調子が良いな。どこまで続くかね。」とのんきに構えていました。

 2時間経過。時折宝石が高く積み上がりますが、斜め消しの連鎖がファインプレーを連発し、ことごとく危機を脱します。ゲーム内容は順調ですが、しかし何だか目が疲れてきましたし、コーラでも飲みたいですが席を離れることが出来ません。「…終わらんな。まだ、まだ終わらんのか…。」と目を擦りつつ、黙々とプレイを続けていました。

 3時間経過。もう自分が何をやっているのか分からなくなってきています。が、身体に染みついた修練というは恐ろしいもので、半ば自動的に宝石を消していきます。そして空気を読まない斜め消し連鎖のファインプレー。反して肩が痛く、目もショボショボします。「終わらねぇ…。まだ終わらねぇよ…。」と心の中で懇願します。もちろんレバーを放してゲームを捨てれば良いんですが、そこは1コイン投入してますから、悲しきは貧乏性、そんなことは出来ません。

 自分で止めることも出来ず、かといってわざとミスするのも嫌だ。最早運命は神に委ねられました。宝石が高く積み上がり危険な雰囲気になってきました。「これで…家に帰れる…。」と思っていると、何故か出現する魔法石。しかも狙ってもいないのに二段消し。一気に広くなるフィールド。この時、私は声にならない叫びを上げていました。

 

 横で見ていた友人曰く「こんなに辛そうにコラムスをやる人間は初めて見た。」そうです。

 結局ゲームオーバーになったのはそれから30分後の事でしたが、ハイスコアランキングを見ると6千万とか8千万とか並んでいます。私の最終スコアは700万くらいでしたから、この人たちはどんな修羅の国の人なんでしょう。実際、理論的にはカンストの9999万9999点になるには6時間以上かかるらしく、修羅の国の方々曰く「最大の敵はトイレ」だそうです。

 

 その後、コラムスは様々な形でアレンジされましたが、結局一番プレイし、最も思い入れのあるのは初代のコラムスなので、割愛。そして十数年後、Wiiのバーチャルコンソールでコラムスを見つけ、早速ダウンロードしてプレイしてみると、10分程度であっさり終了。…衰えたか、オレ。いや、パッドだからダメなんだよ!やっぱりレバーじゃないとダメなんだ、きっと!そんな風に自分に言い聞かせ、暇な時間にのんびりコラムスを楽しむ私なのでありました。

 

 それではまた、十五回表でお会いしましょう。



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todome

過去のホームページ時代より寄稿させていただいておりましたが、とある作品を完結させぬままに十数年すっかり忘れ、この度親方の号令により、再び参加と相成りました、todomeと申します。 主に小話を寄稿させておりますが、マンガ、ゲームにつきましても、今後ご紹介させていただこうかと思っております。どうぞお付き合いください。

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