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いにしえゲーム回顧録 五回表 「アウトフォクシーズ(残り6人編)」

      2015/07/30   posted by


  さて今回はナムコの「アウトフォクシーズ」をご紹介します。今回は先にストーリーをご紹介しましょう。

 

  「7人の殺し屋達に出された依頼は、お互いを殺し合うことだった。彼ら破格の依頼金をかけて、何よりも生き残りをかけて、史上最悪の果し合いをするのだったのだった。」

 

  ざっくり言うとこんな話で、お気付きのように対戦ゲームです。確かにこのゲームが発表されたのは格ゲーブームの頃でしたから、時代の流れでもありました。しかしこのゲームは「対戦格闘」ではありません。むしろ「対戦アクション」という言葉の方がしっくりくるでしょう。だって殺し屋ですからね、チマチマ殴ったり蹴ったりしないんです。当然殺し屋らしく、スタイリッシュに拳銃やマシンガン、手榴弾にロケットランチャーを使うのです!だから格闘では断じてないのです!

 

  ではシステムの説明です。レバーで移動、ボタン1で攻撃、ボタン2でジャンプ。画面は横視点で、フィールドである建物や乗り物をスライスしたような表現がされています。フィールドは見た目以上に自由な行き来が可能で、レバー上+ジャンプで、天井に手を掛けて、階上へよじ登ったり、逆に床から階下へ直接飛び下りる、なんてことも出来ます。簡単に言うと「スマブラ」なんですね。でもスマブラのように殴ったり蹴ったりしません(繰り返し)。プレイヤーは素手ならば殴りに行きますが、基本的にはフィールド上に不自然に転がっている常識的な武器自然に転がっている非常識な武器を使って、対戦相手を葬り去るのです。

  ではどんなフィールドが用意され、どんな武器が用意されているのでしょう?ちょっとご紹介しましょう。

 

  高層ビル:時間と共に崩落していくビル。

  武器:拳銃、マシンガン、あるいは熱々のスープ。

 

  高速列車:暴走機関車は今日も疾走する。

  武器:拳銃、火炎放射器、あるいは石炭。

 

  サーカス:楽しいサーカスがあんなことになるなんて…。

  武器:拳銃、手榴弾、あるいは人間大砲。

 

  …近代的なビルは言うまでもなく、何故サーカスに拳銃や手榴弾があるのかといえば「依頼人が用意した」に決まってますし、指令では「Kill your enemy by any means(どんな手段でも殺れ)」ですから、そこにあった熱々スープや人間大砲を使うのも正しいことです。なので、プレイヤーは使えそうなものは象でも戦闘機用ミサイルでも水鉄砲でも電気ウナギでも何でも使えばいいんです。ともあれ、このゲームでの攻撃は基本的に接近戦ではなく射撃戦に近いので、「対戦アクション」ということになる訳です。

 

  さてここで7人の殺し屋達を紹介しましょう。名前は忘れたので、私が勝手に愛称を付け、簡単な特性を添えておきます。

 

  「ダルマTシャツ」

  長所:バランスの良い平均的能力を持つ

  短所:その平均的な能力

 

  「射撃お嬢」

  長所:精密な射撃が出来る

  短所:足が遅い

 

  「鉄拳パンチ」

  長所:打たれ強く、素手攻撃が強い

  短所:体が大きく、的がでかい

 

  「タキシード猿」

  長所:常にしゃがみ状態で、的が小さい

  短所:射撃がヘタ

 

  「イグアナ娘」

  長所:背中のイグアナがダメージを防ぐ

  短所:なんかイグアナがすぐどっかに行く

 

  「車椅子爺さん」

  長所:ダッシュが早く、背中への銃弾は無効

  短所:ダッシュ以外は遅い

 

  「怖い双子」

  長所:武器を二つ持てる

  短所:打たれ弱い

 

  どれもクセのあるヒットマンばかりです。そして全員ヒットマンらしく銃弾を一発や二発食らっても平気ですし、どんなに高い所から飛び降りても尻餅をつくくらいで骨折なんてしません。手榴弾の爆風に巻き込まれても立ち上がりますし、ロケットランチャーを被弾しても十分生きてます。そんな彼らですから「殴ったり蹴ったり」なんて愚の骨頂なのですが(繰り返し)、殴られたら殴られたでそこそこのダメージを食らうのですから、世の中油断できません。ヤケクソで放ったグーパンチが相手をオダブツにすることもありうる、非常に危ういバランスの元に成り立ったゲームなのです。

  このような殺伐としたゲーム内容ですが、しかし実際プレイしてみると案外コミカルです。火炎放射を食らって全身火だるまになり、床でゴロゴロ転がる様はどこか滑稽ですし、崩落した床から転げ落ち、水槽に突っ込んだところへサメに噛まれるまでのくだりはもうコントです。それというのも殺し屋たちの「異常な丈夫さ」の賜物であり、加えて武器のエフェクトの馬鹿馬鹿しさが、ある種「ドタバタ喜劇」を見ているような他人事感(というか安心感)をもたらしているからでしょう。これが2、3回のダメージでやられてしまったり、モータルコンバットばりの凄惨な描写であったとしたら、本当に殺伐としたゼロサムゲームになってしまい、対戦後、リアルファイトに発展しかねません。このあたりの「さりげないゲームらしさ」はさすがナムコといったところでしょうか。

 

  さあ、敵(五回裏)の足音が聞こえてきました。もはや逃げる事はかないません。正々堂々ロケットランチャーで勝負です!



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todome

過去のホームページ時代より寄稿させていただいておりましたが、とある作品を完結させぬままに十数年すっかり忘れ、この度親方の号令により、再び参加と相成りました、todomeと申します。 主に小話を寄稿させておりますが、マンガ、ゲームにつきましても、今後ご紹介させていただこうかと思っております。どうぞお付き合いください。

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