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いにしえゲーム回顧録 二回裏 「ヴォルフィード(天啓編)」

      2015/07/30   posted by


  前回、「ヴォルフィードは『QIX』のリメイク」と書きましたが、私のヴォルフィーディアン(ヴォルフィードを好む人、造語)としての日々を語る前に、まずはこのQIXについてお話ししましょう。QIXはやはりタイトーで開発された陣取りゲームで、基本的ルールはヴォルフィードと同じ、ボスは何か変な動く斜線群「QIX」、ザコは境界線上を動き回る「スパークス」でした。で、一定占領率を達成すればクリア、というシンプルなゲーム。特にストーリーもなく、アイテムもなく、背景もなく、BGMもない、本当にシンプルなゲームでした。

  さてこのQIXを私はゲームボーイで遊びました。ただでさえシンプルな画面構成なのに、白黒液晶のために更に拍車がかかり、もはや放送事故前衛芸術のような印象でありました。しかし、面白かった。プログラムバグのようなQIXをいわば論理とテクニックで追い詰めていく快感は筆舌に尽くしがたく、私はゲームボーイの操作性と視認性の悪さをものともせず、毎日毎日最大占領率99%(50000点)を達成しては悦に浸っていました。

  そういう経緯があったので、ゲーセンでヴォルフィードを見つけた時、私はすぐに「あ、QIXだ。」と理解しました。そして衝撃も受けました。それまで白黒の記号のみだった私のQIXが、目の前で、フルカラーで、妙な敵キャラで、占領率は小数点があるのです。それでなくても少々は腕に覚えがあった私が、コインを投入するのに時間はかからなかったのです。

 

  プレイしてみて一番驚いたのは「ボスが飛び道具で攻撃してくること」でした。それまでQIXは体当たりしかしてこなかったのに、今回は白弾やドリルなどで正確に自機を狙ってくるのです。しかもボス毎に特徴的な弾道を描いてきます。境界線上はシールドがあるから良いものの、線を引く時の緊張感は相当な物でした。しかしやがて敵攻撃にパターンを、いわば「隙」を見出した私は、その間隙を縫う楽しさを知りました。敵の猛攻の間は息を潜め、攻撃の手が休まった隙に一気に領地を獲得する。そして包囲網を狭め、ボスが小さくなり、トドメの一線を引く。果たして99.9%。それはQIXとは別の、論理とテクニックによる興奮でした。そして500000点という破格のボーナスは相応の満足感を私に与えたのでした。

  その後着々と攻略を進め、ステージ12に到達した私は、ここで一つの壁にぶつかります。ついにあの「巨大人面ロボ」の登場です。見た目のインパクトもさることながら、彼奴の攻撃には戦慄を覚えました。彼奴は口から、実に気味の悪い眼球型の誘導ミサイルを8発発射したのです。どこにいても確実に狙ってくるミサイルの追尾はしばらく続き、この間は下手な動きが出来ません。ようやく追尾が終わり、ミサイルが画面外へと消えたのもつかの間、また彼奴が誘導ミサイルを発射するのです。その見た目のグロテスクさと攻撃の苛烈さは大変な衝撃でしたが、それに加え、それまで獲得した領地には次のエリアがうっすらと見えているのに、この面で領地から見えるのはステージ12がいびつにフリーズしたような光景でした。私は直感的に「とんでもないところまで来た」と再び戦慄を覚えたのでした。

  それでも何とかステージ12をクリアし、その後の驚きの展開、驚きの光景を経て、私はめでたく全クリをしました。完全クリアの喜びはもちろんありましたが、それは紛れもなく「異星人を倒した」という妙にリアルな達成感でした。当たり前ですが、ゲームは人間の書いたプログラムに過ぎません。だから私が勝ったのは異星人ではなく「タイトーの人」なのです。しかし私の持論として「ゲームは異世界でなければならない」というものがあります。現実を忠実に再現するのも良いですが、現実では決して叶わない体験をすること、そしてもはやゲームであることを一時でも忘れさせてしまうこと(良いか悪いかは別として)、それこそがゲームの価値だと思っています。その意味でも、目眩く異世界を提示し、その手触りを確かに私の心に残した「ヴォルフィード」は大変な傑作であったと思います。「タイトーは珍奇なゲームを作る」と言いましたが、同時に「心を激しく揺さぶるゲームを作る」メーカーでもあったのです。

 

  と、無事に母星を奪還した私でしたが、ここで新たな目的が出来ました。ハイスコアです。このゲームは全部で16面。99.9%のボーナスが500000点。仮に全面99.9%が達成されれば8000000点。加えて全面クリアで1000000点。夢の10000000点までもう少しです。どんなゲームであれ、それまで私には10000000点など夢の領域でしたが、俄然現実味を帯びてきました。天上はもう目の前まで見えていて、手が届きそうな所まで来ている…!そして私は10000000点達成に向けて、新たな戦いに挑んだのでした。

 

  まず敵の攻撃の間隙を縫うためには「S(スピードアップ)」が必須でした。しかし出現がランダムであったため、スタートと同時に片っ端からオベリスクを囲んで破壊します。一個目「P」、シールドエネルギーが減らないだけなので、事実上ハズレ。二個目「出現せず」、アイテムが出ないこともあるのがもどかしい。三個目「L」、取りあえずボス包囲に邪魔なザコを一掃だ!と言いたいところですが、ザコを囲んで破壊した場合、同時破壊数によって1000、2000、4000…と点数が増加するので、出来れば生かしておいて、99.9%達成時に破壊、という形にしたいので、ハイスコア狙いではハズレ。先端が赤く点滅するオベリスクは「惑星破壊砲」や「1UP」などレアアイテム出現のチャンスだが、「惑星破壊砲」でボスを破壊すると100000点しか入らないから、やっぱりハズレ。…てな具合で、出ないんだね、これが。

  さて、めでたく「S」をゲットしても安心してはいけません。「速くなった」ということは「操りにくくなった」ことでもあるからです。序盤、広いフィールドを一気に横切るなら良いですが、後半の小さくなったボスを囲むように、チョコチョコ陣地を整えていく作業ではかなりの足枷となってしまいます。小さく陣地を取ろうとしてボスに激突することも頻発し、「あッ、残機ボーナスがなくて良かったぜ!」という事態がよくありました(このゲームは全クリ時の残機ボーナスがないし、残機潰しによる稼ぎもないので、純粋に占領率勝負といえるのです、ストイック!)。

  さてボスの中には99.9%を取りやすいものと取りにくいものがありました。まぁ、全部簡単に取れたら苦労はしません。私にとって鬼門だったのが、まず「ゲンコツ双子ロボ」。こやつは二対一組で動き回り、フィールド上をぶつかっては離れ、ぶつかっては離れを繰り返します。つまり分離するボスなわけで、ぶつかってまとまった所を狙って追い詰めたいところですが、ぶつかった瞬間に四方八方に弾をまき散らすので厄介です。かと言って、分離したところでうかつに線を引き、双子を分断してしまうと強制的にクリアとなり100000点しかもらえません。しかもボスの動きを理解して、計画的に陣地を取っていかないと、ボスが分離した際に片割れが占領地に引っかかって動けなくなり、どうにも出来なくなって双子を分断、強制クリア、なんてこともあります。実際、このボスを99.9%でクリアしたことは数えるほどしかありませんでした。しかしそれ以上に鬼門だったのが、先の「巨大人面ロボ」でした。無理。これ無理。誘導弾が無理。あとボスの動きがトリッキー過ぎて無理。何度も強引に追い込もうとして被弾、激突、全滅、ゲームオーバーとなったものです。結局、ステージ12で99.9%を取る事はどうしても出来ず、したがって計算上、10000000点は夢と消えたのでした。

 

  …それから20年後。私は動画投稿サイトで再びヴォルフィードを見つけました。タイトルは「カウンターストップ」。何?どういうことだ?と動画を再生してみると、そこには驚くべき光景がありました。なんと最初の1本目の線で80%占領を達成すると、隠しボーナスとして1000000点が入るのでした。当時中坊の私が気付くはずもありません。そして更に衝撃の事実は、スコアは「9999990点」までしかカウントされなかったのです。

  なるほど、10000000点の夢は、やはり夢だったというわけです。

 

  それでは三回表でお会いしましょう。



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todome

過去のホームページ時代より寄稿させていただいておりましたが、とある作品を完結させぬままに十数年すっかり忘れ、この度親方の号令により、再び参加と相成りました、todomeと申します。 主に小話を寄稿させておりますが、マンガ、ゲームにつきましても、今後ご紹介させていただこうかと思っております。どうぞお付き合いください。

 - ゲーム, いにしえゲーム回顧録, トドメ氏

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